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関西オープンゴルフ選手権 2009
開催コース所属の中土靖(なかつちやすし)さんは「平常心でやれるかどうか…」
中土さんは、出場カテゴリーのひとつである今年の関西アマチュア選手権の上位10人の枠からは残念ながらもれたが、改めて大会独自の予選会に挑戦し、みごとトップ通過を果たした。
今年18年ぶりにツアー競技に復活した今大会は、中土さんの所属コースでもある宝塚ゴルフ倶楽部が舞台だ。
それだけに、「なんとか出場したかった」という中土さんだが、前日火曜日に発表されたペアリングには、思わず目が点になってしまった。
キャディに19歳になる息子の喜博さんを起用して迎える大会初日はディフェンディングチャンピオンとのラウンドだ。
大注目の組に放り込まれたという動揺から、電話で報告してくれた知人に「なんで、僕がそんなところで回れるの」と、思わず問い詰めてしまったほどだ。
今をときめく17歳は、大勢のギャラリーを引き連れて歩くだろう。中土さんも日本オープンなど、大舞台の出場経験は豊富だが「そんな組で回るのは、本当に久しぶりで。平常心でやれるかどうか……」。
まして、飛ばし屋の石川にはティショットで常に置いていかれるのは必至だ。
44歳。「近頃、第2打で持つクラブがますます長くなってきて……。あと10歳若ければ、少しは対抗できたかもしれないけれど」と、苦笑する。
「「遼くんがアイアンで打つところを、僕はウッドで打って、となれば余計な力が入ってしまいそうで」と、懸念を口にしないではいられない。
もうひとりの同伴競技者が、中土さんが勤めるつるやゴルフの所属プロの横田真一であることがせめてもの救いだが、「やっぱり、プロに迷惑はかけたくないし、気を遣ってしまいそうで」と頭を抱える。
過去に67をマークしたこともある。勝手知ったる“庭”とはいえ、「フェアウェーは狭いし、ラフは深いし、グリーンは速いし……」。トーナメント仕様のセッティングに仕立て上げられたコースは一筋縄ではいきそうにない。
「えらいことになってしまいそうで」と不安は募る一方だが、そんな中でも前向きになれる材料はある。
開催コースの同倶楽部は、大会主管の日本ゴルフツアー機構の島田幸作・前会長が、ヘッドプロをつとめたコースでもある。
中土さんがメンバーになったちょうど10年前に島田氏は当機構の会長に就任し、接する機会はあまりなかったが、たまに月例大会で会うと「いい球打ってるやないか」「まだまだ、やれるぞ」と、声をかけてくれたことをよく覚えている。
「生きておられたらきっと、この開催も喜ばれたでしょうね」と、この日水曜日の練習ラウンドで改めて在りし日の姿を振り返り、「僕も良い報告が出来ればいいのですが」と、気合いも入る。
多くのアマタイトルを持ちながら、まだオープン競技の称号はないという中土さんにとっては、それも発奮材料のひとつだ。
まして、75回目を迎える今年から、ローウェストアマには「中部銀次郎杯」がもうけられる。
日本アマ6回、今大会でも5回のローウェストアマを獲得した故人はアマチュア界の至宝と呼ばれた。中土さんも尊敬してやまないトップアマの名を冠したタイトルを視野に入れ、「精一杯やりたい」と、力をこめた。