Tournament article
ダイヤモンドカップゴルフ 2010
宮本勝昌は「今年一番良いゴルフ」
「今日はしっかりフェアウェーもキープ出来たしチャンスをモノにすることも出来た。最後まで、集中力も途切れることがなかったし、今年一番良いゴルフが出来ました」と、充実の笑み。
師匠の恩に、ちょっぴり答えられた、と実感出来る好発進。
先週のオープンウィークは、水曜日に芹澤信雄とラウンドの約束をしていたが大雨。
師匠にマンツーマンで教えてもらう機会はめったにない。
「でもさすがに今日は、中止だろう」と宮本は、落胆していた。
そんな弟子の気持ちを汲むかのように、芹澤は言ってくれたのだ。
「ハーフだけでもやっとくか」。
そればかりか、芹澤はその週末にはシニアの試合を控えており、練習ラウンドを含めてコースに出ずっぱりで、疲れているであろうに今週は、火曜日にまた会場で練習ラウンドに付き合ってくれた。
さらに、水曜日はプロアマ戦。
「先週からずっと、回りっぱなしで。芹澤さんは『お前らのために』と、口に出しては言わないけれど。師匠の思いは伝わってくる」。
その気持ちに答えたい、という思いにいつも突き動かされる。
兄弟子の藤田寛之はすでに今季1勝。毎週のように優勝争いを繰り広げているばかりか、今週は月曜日に埼玉県の武蔵カントリークラブで行われた全米オープンの最終予選でトップ通過を果たしている。
「近ごろの藤田さんは、ひとつレベルが抜けた感がある」と宮本も感じている。
藤田は無類の完璧主義者だ。
以前から、満足するということがなく、宮本も藤田の悩みを聞くたびに、「ああ、それはこうなっているんじゃないですか」と、ある程度はアドバイスを送ったりすることも出来た。
「でも最近では藤田さんが悩んでいても、その理由が分からなくなってしまった」。
次元の違いを感じることが多くなった、と宮本は言う。
以前は、藤田と勝利数やスコアで張り合う気持ちも大いにあったが、それも近ごろはちょっと違う。
「藤田さんと、僕自身を分けて考えるようになったというか・・・」。
兄弟子の活躍も、ちょっぴり傍観者の視線になっているのが実情のようだ。
「師匠への恩返しも、今は藤田さんにお任せして」。
ひとまず今は、マイペースを貫く。
今年38歳。藤田とは3つ年下。
「僕も3年後には・・・。40歳になったら藤田さんみたいな活躍が出来るように、今は地道に頑張るだけです」。
師匠に言われているアドバイスは、十数年前から変わらないという。
節目の年齢まであと2年あまり。それが本当に身に染みたときの宮本の活躍が、楽しみだ。