小学生~大学生の地元ジュニア9人に、座学や野外ゲームを通じてプロの背中を示した。
同研修会は、県内ジュニアのレベルアップを目指して2002年からスタートし、実は3人とも元生徒。
JLPGA会員で、奈良県高等学校ゴルフ連盟顧問の杉本真美(すぎもと・まみ)プロの尽力で、2006年から奈良出身のレジェンド、谷口徹が講師として加わると、さらに会は活性化。
森井も、木下も、田中も、スクール時代は毎年、谷口の来場を楽しみに、谷口から得た技術や知識を自身のプロ入りにつなげた経緯がある。
コロナ後に谷口からバトンを託されてからは、自分たちが教える側で恩返しを続けており、それぞれのプロ生活で得た知恵や経験を、今春も後輩たちに惜しげなく伝授。
3プロがそれぞれ率いた3チームによる9ホールのチップ&パター戦も、6ホールのプレーオフにもつれるなど白熱した。
けっきょく最後は“岡田兄弟”の一騎打ちで決着し、1回でパットを決めた弟の笙佑くんを擁する“森井チーム”が勝利。
「僕が一番楽しんでいた」と、森井もVコメントで喜びを述べたとおり、講師陣こそ大満足の1日となった。
同研修会では、ゴルフの上達以上に礼儀やマナーを重んじ、人間力の向上を目指している。
コースのスタート小屋を教室代わりにお借りして行われた互いの近況報告もその一環だが昨年、森井はセカンドQTで敗退。
アジアンツアーとの掛け持ち参戦に挑戦した木下はキャリア最多の32試合に出場したが未勝利に終わったし、田中はホールインワンを2回も達成するなど話題は蒔いたが、本格参戦初年度のレギュラー昇格には失敗。
3プロとも昨シーズンは試練の1年となったが、参加ジュニアで同志社高校3年の坂下一咲さんからは、新学期からセレクトで、フロリダの大学へのゴルフ留学が決定したと報告を受けた。
後輩たちはすくすくと成長中だ。
「負けられない!」と、声を揃えた3プロ。
「去年はゴルフが楽しくない時期もあった」と、打ち明けた森井。「でも、変わらなあかん」と脱皮を決意し、田中は「来年こそ初シードを目指せるように、今年はまたABEMAツアーで頑張ります」と出直しを誓い、次週にアジアンツアーの最終予選会に挑戦する木下は「去年の経験を活かして、今年は賞金王を目指します」と、宣言した。
2002年と07年に賞金王に就いた谷口は 50歳の2018年に「日本プロ」で史上10人目のツアー通算20勝も達成。
背中で見せ続けてくれた偉大な先輩にも負けられない。
「ここにいるみんながプロになり、一緒に勝負できる日が来るのを楽しみにしています」と木下。
今度は、自分たちが見せる番だ。