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ジーブ・ミルカ・シン、特別賞受賞

驚異の精神力で最終戦ゴルフ日本シリーズJTカップで大会2勝目をあげたジーブ
世界を股にかけるインターナショナルプレーヤーは、今年もおよそ20カ国でプレー。はがねのような肉体と、不屈の精神で37試合を戦い抜いた。

日本ツアーで本格的に戦い始めたのは99年。
シード落ちを喫し、ロッカールームで泣き崩れたのは2003年。

しかしいま、ジーブにあの頃の面影はない。

今年は2月の欧州ツアー「バンク・オーストリア・ゴルフオープン」で今季初優勝をあげると、4月にはマスターズに挑戦。
7月には、日本ツアーの「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で通算3勝目。
11月にはアジアンツアーの「バークレイズシンガポールオープン」で、アーニー・エルスやパドレイグ・ハリントンら世界の強豪を倒して逆転優勝を果たした。

2006年に続く、自身2度目のアジアンツアー賞金王も不動のものとして、今年は最高の年となるはずだった。

幸せの絶頂から奈落の底に突き落とされたのは、日本ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の開幕直前だ。

今年1月に結婚したばかりの最愛の妻クドラさんが、待望の第一子を流産した。
悲報を聞いて、泣き崩れた夫…。
一度は欠場を決めたが「亡くなった赤ちゃんのためにもゴルフをしてきて」と、その背中を強く押したのは、他でもないクドラ夫人だった。

身もだえするような慟哭にあってさえ、世界各国の舞台で培われたその高い集中力は途切れることがなかった。
夫婦の強い絆が奇跡を呼んだ。
7月の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」に続く日本ツアー通算4勝目に、「妻のあの言葉がなかったら、今日という日もなかった」と、優勝インタビューで改めて妻への愛を確信した。

その翌日の8日(月)に、都内のANAインターコンチネンタルホテル東京で行われた「2008年度ジャパンゴルフツアー表彰式」で今年1年の功績が評価され、特別賞を受賞したジーブ。

プレゼンターとして登壇した永久シード選手の尾崎直道から記念のメダルを受けた夫のかたわらには、無事退院した妻・クドラさんの優しい笑顔があった

  • プレゼンターの尾崎直道から受けた特別賞のメダルに感激…!
  • 身もだえするような苦しみも、夫婦愛で乗り越えたシン夫妻は表彰式で揃って笑顔を見せた(右がクドラ夫人。左は夫人の入院の際にお世話になったインド大使夫人)

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