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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2008

谷原秀人「矢野さんには絶対に負けない」

ここ何週間かのストレスを一気に晴らした64。「これまで、ずっと3パットの嵐だったから」。その原因も分らなかった。「打ってる感じはいいのにラインが違ったり、噛み合わなかった。3パットをした途端に心が折れた」。

しかし、解決策も見あたらず「とにかく入るまで待つしかなかった」という。

ショットがずっと絶好調だっただけに、鬱憤はたまる一方だったが今週は3パットも第2ラウンドの4番ホールの「1回」だけ。
インスタートの18番からの4連続を含む8バーディは、「やっとパットが決まってくれた」。

この日は早朝7時から、前日2日目の残り4ホールを消化。
第3ラウンドは終るころには陽もとっぷり落ちて、「かなり長い1日」も、それだけで報われた。

通算12アンダーで首位タイで並ぶ矢野東は、契約メーカーが同じプロギアで、コーチも内藤雄士さんで、トレーナは山坂元一さんで・・・。

特に山坂さんは谷原が帯同した今年7月の全英オープンで矢野も意気投合。
きゅうきょ契約を結ぶことになった。

引き合わせたのは谷原といってもいいが、そのおかげで夏を過ぎてから矢野は絶好調と来ている。

現在の賞金ランクこそ谷原が1ランク(4位)リードしているが、今週の優勝賞金は4000万円。
もし矢野が勝てば獲得賞金で抜かれるばかりか、矢野がトップに躍り出る。
もちろん、その逆もある。

今季、初の賞金王獲りを一番の目標にしている谷原は、このビッグチャンスをみすみす譲るわけにはいかない。

「矢野さんは非常にいま調子がいいし、先週勝ってるし、勢いもあるけれど。その勢いを、明日は止めてやろうと思います」。

谷原のほうがひとつ下だが、「僕のほうはほとんどタメ口」。
良きアニキ、良き親友として普段から親交が厚いが、勝負の世界では容赦しない。
「明日は一緒に回るぞ」と、この日3日目のスタート前に矢野に声をかけられたときは、わざと相手にしなかったが、最終日最終組の直接対決を目前に宣戦布告だ。

「矢野さんには絶対に負けない。そして僕は今季2勝目で、さらに自信をつけます」。

この日は谷原のひとつ後ろの組で、あとからインタビュールームにやってきた矢野とすれ違ってハイタッチ。
その瞬間、確かに戦いの火花が散った。

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