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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2008
すし石垣「明日も新聞、見といてね!!」
抑えきれない焦りで、「頭の中がどうしても、ゴルフ一辺倒になってしまう」。
ラウンド中に、大好きな“競艇”のことを考えるようにしているのは、ゴルフに対してつい神経質になってしまうのを防ぐためでもある。
スタートの瞬間の緊張感。
全速でターンしたときに上がる激しい水しぶきと躍動感。
「間近で見ると、相当の迫力。あのスピード感と、ファイティングスピリッツはまさにプロスポーツの真骨頂です」。
すしがそんな競艇の魅力にとりつかれてから十数年。
その間に、競艇界の親友も増えた。
「ゴルフの調子は良いのに、結果が出ない」。
そんな相談を持ちかけたすしに、「もうひとつ上のレベルを狙ってやらないと」とのアドバイスを送ってくれたのは、川崎智幸選手だ。
予選落ちのたびにふらりと競艇場に顔を出すすしに、「そんなヒマがあったら球を打て。予選通過できるまでここには来るな」と叱ってくれたのは、太田和美選手だ。
いまのゴルフ界なら、「タイガー・ウッズに匹敵する選手」と、すし。
26歳で“賞金王”に輝き、いまもその世界でトップを走り続けている。
「彼らから、ゴルフにも通じるプロ根性をたたき込まれた」と、すしは言う。
そんな彼らも今週は、大きなレースの真っ最中だ。
愛知県の蒲郡競艇で、競艇界の最高峰のひとつ「SGオーシャンカップ競争」に出走中だ。
川崎さんも太田さんも、いつもすしの成績を気にして、新聞をチェックしてくれているという。
「きっと、今日も成績表を下から探して“あれ、すし出てないじゃん”て言うんだろうなあ・・・」。
ところが、意外にも一番上にその名前を見つけてたいそう驚き、そして喜んでくれるだろう。
その表情を想像しながらすしは言った。
「蒲郡のみなさん、明日もちゃんと新聞見といてね!」。
レースも27日(日)が最終日。
その日こそ自分もツアーで初の頂点に立ち、日頃の友情に報いたい。