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JCBクラシック仙台 2000
宮本勝昌が「今季イチ!」という快心のゴルフで、7アンダー首位発進
「ティショットはぼちぼち。アイアンは、今、ドローを試しているのが、右からうまく乗ってくれるし、パットは5メートル前後がたまに入ってくれる。バランスのいいゴルフができた。やっててすごく気持ちよかった。今日は今季イチです!」と、笑顔が出ぱなしだった。
宮本のはなし「実は今年は、開幕前に1回目のピークが来てしまって、そのあとは下降する一方だったんです。静岡オープンの6位っていうのは、その余波で成績がよかっただけで…。そのあとキリンオープンから3週連続予選落ち。とことん落ちたら、今度はまた上向いてきました。僕は、常に安定していいタイプじゃない。山あり谷ありのタイプだから、いいときに噛み合わせをよくして波に乗り、上位をキープしていかなくちゃいけないですね。僕のゴルフは、“くじびき”という感じのことろがあります(笑)。
僕はもともと、ショットでスライス軌道が強くて、今、一生懸命まっすぐのプレーンに戻しているところなんです。芹澤(信雄)さんにも前から指摘されていたことでもあるんですけど、ずっと誤解している部分があった。自分では、まっすぐ振っているつもりでも、人に見てもらったら微妙にズレてたんですね。そのあたりを、日本プロゴルフ選手権あたりから修正しています。その部分が今日のところはまずまず、といった感じでしょうか。 今年は(片山)晋呉が2勝して、今、(横尾)要がアメリカでがんばってる。ミヤモトも、頑張らなくちゃ、という感じです。今、晋呉が通算勝利数4。要と僕が2つ。やっぱり、2人には、負けたくないと思うし意識もしています。
特に要は、米ツアー志向が強いし、刺激されますね。今年の米ツアーのクォリファイングスクールも、一緒に受けようって誘われているし、僕自身、またリベンジの意味で、アメリカに挑戦したい。ただ、今のままじゃ、また同じこと。スポーツ選手はやはり結果を出さないとはじまらない。それで初めて、挑戦とか言えると思っていますから…。挑戦する前に、せめて2人に追いついていかないと、と思っています。
…それに、いつまでも浮ついてたこと言ってたら、家族もいることだし、『最近、稼いでないよ』って、文句言われちゃう(笑)。先頭集団で、このまま逃げきれればいいけど、あと3日ありますからね。まだどうなることか…」
★ 宮本勝昌
片山晋呉、横尾要とは日大時代の同期。3人でアマチュアタイトルを総ナメし、当時は「日大3羽カラス」などと呼ばれた。そろってツアープレーヤーになった今でも、3 人は良き友人であり、良きライバル同士。常に意識しあうことで、成長を続けている。
宮本は、98年のつるやオープンで初優勝。さらに同年12月の日本シリーズでは尾崎将司を下して5年シードを獲得。翌99年には念願の米ツアーに本格参戦したが結果が残せなかった。2000年の今年はひとまず日本に腰を落ちつけ、再挑戦をもくろむ。