記事
スーパーマリオよみうりオープン 1999
「アニキは苦しんでる」細川和也
プロの卵・研修生の細川和也(23歳)は、兄・細川和彦の成績を気にかけながらも、自然とこぼれ出る笑顔を隠せない。
通算2アンダーで37位に食い込み、楽々、予選通過(予選カットはイーブン、58位までの66人の選手)。
春先のデサントクラシックに続く、ツアー出場2戦目にして(三菱自動車トーナメントでは本戦出場をかけた予選会のマンデーに出場、予選落ち)早くもチャンスを手中におさめてしまった。
まだツアーの出場資格を持たない研修生でも、主催者推薦で出場のチャンスを与え(ただし、前年度のPGA予選会2次および3次予選出場者)、真に実力のあるものを発掘していこうと今季から当機構が設けた新規定。細川和也は、その“第一号”となり成果を示した。
前半の2番ロングでバーディを取り、幸先のよいスタートを切るも、4番、5番、8番でボギーが先行し、「やばい、また1打差とかで落ちるのか(デサントは1打差で予選落ち)」と焦った。だが、「どうせ落ちるなら、悔いの残らないように思いきってやろう」という開き直りが、後半の13番、17番のバーディにつながった。
前日、「なんとか20位か30以内に」との目標も叶え、堂々の予選通過だ。
「こうしてチャンスを与えてもらって、できるだけ早く成果を見せないとっていうプレッシャーがあった。きょうは一時、オーバーにしてとてもプレッシャーがかかったけど、そんな中でもやれた自分を誉めてやりたいと思う。まだあと2日あるから、気を引き締めて行きます」と和也。
この記念日に兄の和彦は、開幕から2度目の予選落ちを喫したが、「アニキは僕のことが気にかかって集中力を欠いたんだと思います」と、“アニキ”の代弁をする一幕もあった。
細川和彦のハナシ
「ツアーが変わったってことを、証明できたことで、僕も和也もホッとしている。本人も今年のプロテストに向け、結果を残せたことで自信がつくと思うし、出させてもらって、その上、賞金が稼げるわけだから、ありがたみも増すと思うんです」