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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006

シード権争いの選手たち

「最後の気力を振り絞る」と練習場に居残って球を打つ井戸木
井戸木が、この日3日目もコースにあらわれた。「ややこしいことになってしまったけど仕方ない。来週に向けて、練習に来ました」と苦笑い。

今年シード権のボーダーラインは、規定試合数に満たない中嶋常幸(賞金ランク23位)とパドレイグ・ハリントン(同27位)と、タイガー・ウッズ(同50位)の3人をのぞく73位まで。

だが、ひとつ気をつけなければならないのは、現在賞金ランク89位につける今野康晴の動向だ。
次週のツアー最終戦『ゴルフ日本シリーズJTカップ』は昨年覇者と、今年のツアー優勝者と、今週終了時点の賞金ランク25位までなど、限られた選手にしか出場権がないから、シード権争いの選手たちにとっては今週が事実上の最終戦となるはずだが、今野こそ同大会のディフェンディングチャンピオン。

今野には複数年シードがあるために、来季の出場権を心配しなければならない立場にはないが、賞金ランクによるシード入りのチャンスを、次週に残しているということになる。

だから、今週ランク73位に終わった選手はいずれにせよ次週、茨城県のセントラルゴルフクラブで始まるファイナルQTの会場に向かわなければならない。

井戸木の賞金ランクは現在68位。
今のところは“圏内”なのだが今週予選落ちしてしまったことで、2年ぶりのシード復帰は微妙なことになってしまった。

そしてもし「自分が73位にでもなれば・・・」と思うと落ち着かない。
まだ、結果は出ていないがとりあえず、準備をしておくに越したことはない。
たまたま空いた週末も、いてもたってもいられずに、こうして練習にやってきたというわけだ。

「体調があまり良くないし、早く休みたい気持ちで一杯やけれど・・・しょうがない。最後の気力、振り絞ってきますわ!」とこの日、ひとまず帰阪した。

一方で、予選通過を果たしたものの、瀬戸際の戦いを続けているのは、いままさにボーダー線上にいる賞金ランク73位の塚田好宣をはじめ、同71位の野仲茂、同77位の選手会長・横田真一らも同じだ。

予選通過の呪縛から逃れて「ようやくのびのびとゴルフが出来るようになった」という野仲は。この日3日目、3つ伸ばして通算4アンダーは前日の44位タイから21位に浮上。

井戸木と同じで、いまは“圏内”の野仲だが、逆転されるには十分の僅差の争い。
初日、2日は「予選に通らないと、戦いは始まらない」というプレッシャーで、思うようなゴルフができなかった。
「真っ直ぐ飛ばそう、と思いすぎて力んでフィニッシュが取れなくなった」という。

しかし、ひとつ壁を超えたことで、途端に力が抜けた。「ようやくリラックスして出来るようになりました」。

もちろん、まだ気は抜けないが「最終日こそ、逃げないで頑張りたい」と、気合を入れていた。

  • 「最終日こそ逃げない」と野仲

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