記事

ユニシスポイント1位の平塚哲二「賞金王、狙います」

先週のウッドワンオープン広島で、ツアー通算3勝目。「いま、ゴルフが絶好調だから。この波に乗って今年まだまだ勝てそうです」と、平塚は言った。

その根拠は、数字にもきちんとあらわれている。
平均ストローク、平均パット、パーキープ率、バーディ率、イーグル率。ツアー前半戦を終了し、部門別ランキングの主要5部門でトップ10入りと、安定した成績を残し、総合力を示すユニシスポイントランキングでは、賞金ランクトップの片山を抜いてダントツの1位。

優勝インタビューで公言した、「前回、取り損ねた(2003年2位)賞金王を狙う」とのコメントも真実味を帯びてくる。

プレー中は、誰よりも「熱くなるたち」。
やはり優勝争いを繰り広げた前週のUBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ。
大事な場面でミスが続き、自分への苛立ちを抑え切れなかった。
あるホールで無意識に、キャディバッグ目掛けてクラブを投げた。
それが、たまたまテレビに大写しになった。

「あのあと、いろんな方から『態度が悪い』と大変なお叱りを受けました。夢中になると、自分でも知らん間に失礼なことをやってしまうもんで・・・」と、ペコリと頭を下げた。

長男が、生まれたのが昨年10月。
「・・・俺が父親?って、なんだか気恥ずかしくて」と、言葉少なに照れ笑い。
饒舌に語るタイプではない。
適当におべんちゃらを言えるような性格でもない。
愛想を振りまくのも、得意ではない。
それだけに、プレー中の仏頂面に誤解を受けることも多いかもしれない。
しかし、ごく近しい人は「誰よりも暖かくて、優しい心を持っている」(矢野東)と証言する。

親友が優勝間近と聞けば最終日は必ず会場に残って、最後までその瞬間を見守っている。祝福の輪に加わる平塚の笑顔がある。
無骨な風貌とは裏腹に、誠実な人柄には信頼も厚い。

それが証拠に、平塚がウィニングパットを決めた瞬間、本人以上に喜びを爆発させたのは、矢野東をはじめ、応援に駆けつけた大勢の仲間たちだった。

やんやの声援を送る彼らに向かって、平塚が勝利の咆哮。
グリーンを降りてくるなり「うぉ〜っ!!」と、吼えた。
それは、「次はお前らやぞ」というチャンピオンからの熱いメッセージ。
仲間たちも、拳を突き上げ「うぉ〜っ!」と応えた。

それは、来週セガサミーカップから再び幕を開けるツアー後半戦も互いにしのぎを削り合い、一丸となって男子ツアーを盛り上げていくという決意の表れだった。

ユニシスポイントランキング
平均ストローク、平均パット、パーキープ率、パーオン率、バーディ率、イーグル率、ドライビングディスタンス、フェアウェーキープ率そしてサンドセーブ率の9つの部門別ランキングをポイント換算し、その合計によって順位を決定するもの。1位者には、シーズン終了直後に開催される『ジャパンゴルフツアー表彰式』で表彰される。
毎年、総合的にもっとも優れた選手のあかしとして受けるこの賞は羨望の的で、「もっとも栄誉ある賞」と言って早くからこの受賞に闘志を燃やす選手もいるほどだ。

関連記事