ファンのみなさんにはすっかりおなじみとなった“すしダンス”。初めて披露したのは、97年のプロ合格以前から参戦していたアジアンツアーだった。
「プロである以上、見に来てくれたお客さんを楽しませたい」と、一時はバーディを取るたびに踊っていたものだ。
ユニークな選手名もその一環だった。
本名は石垣聡志だが、外国人には「SATOSHI」の発音が難しかったこと。また「同じSで始まり、日本人であるとすぐに分かってもらえるから」という理由で登録名を変更したのは2002年。
日本ツアーの出場権を得た今も、積極的に海外に目を向けるのもそうだ。
「そこに試合があるならば、どこまでも出かけていって稼ぐのがプロ。それ以上に理由はない」と言い切る。
そんな男だから、当然、服装ひとつにも頑固なこだわりを見せる。
たとえば、ズボン丈。初めは、会場で会う人、みんなが石垣を指さして言ったものだ。
「裾、短くない?」。
すしが、即座に言い返す。
「俺のが普通! そっちが長すぎるの」。
ひと目見て、そうと分かるほどすしのズボン丈は短い。「洗濯で、縮んじゃったのかな」と、首をかしげるほどにだ。
しかし本人ははじめから、あえてその丈に仕上げている。
「くるぶしに、ズボンの裾がかかるのが異常に気持ち悪いから」と、店員には床下から約15センチのスソ上げを指示。
「・・・短すぎないですか?」と、よく心配顔で突っ込まれたものだという。
靴とズボン裾からのぞく微妙な隙間に目をつけて、昨年は靴下のその部分に社名を入れたスポンサーもあらわれた。
当初は何かと話題になったそのユニークな“衣装”も、いまやすっかりツアーの名物になりつつある。
ファンクラブも出来て、すしのロゴが入ったオリジナルTシャツで応援にやって来るギャラリーの姿をよく見かけるようになった。
サインの横に必ず書く似顔絵も好評で、ホールアウト後には必ず長い列が出来る。
何人もの色紙に絵を描き込むという作業も、「これを面倒だと思うなら、プロになんかならなきゃいい」と、黙々とペンを走らせる。
とどまるところを知らないすし人気。
初シード入りで、ますます注目されることは間違いない。
「・・・来てくださるギャラリーの方たちも、こいつは絶対に何かするって目で見てくださってますしね(苦笑)。2007年も、期待を裏切らないようにしたい」。
今年はぜひ初優勝で、人気をさらに不動のものとする?!