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ANAオープン 2009

マンデー出身の今井克宗が9位タイに

ホールアウト後の練習を終えて、ひとまず帰路につく前にスコアボードを確認して、目を剥いた。「俺、いま7位(当時)ですって、やばくない?!」。

開幕戦以来、今季2戦目のトーナメントは、今週14日(月)に行われた予選会「マンデートーナメント」を勝ち上がっての出場だ。

2007年にシード落ち。以来、ツアーの出場権をかけたクォリファイングトーナメント(QT)でも失敗が続き、昨年は3次落ち。
ほとんど出番もなく、ミニツアーや地区競技で食いつなぎ、約半年ぶりに“登板”した選手が、トップ10で決勝ラウンドを迎える。

「俺みたいに久々に出てきた選手がこんなところにいるってどうよ」と首をひねる。
「他のシード選手は何やってんのよ。回りが下手過ぎなのよ」と、非難も承知で言い募る。
「シード選手はみんな、予選落ちとかシード落ちの不安でびびりすぎちゃってんのよ。

そういうのを経験しすぎて、ヘコんじゃってるのよ。みんな、そういう顔してゴルフをしてる」と言いながら、そこに数年前の自分を重ねていた。

「俺も、ちょっと前までそうだったから」。
99年のデビュー当時こそ、勢いで64や65を出して幾度も爆発してきたが、2000年に初シード入りを果たして以来ツアー通算2勝をあげて、“ラ・ボンバ”の異名を持つ攻撃ゴルフは、徐々にかげりを見せ始めた。

カットラインやボーダーラインを意識しすぎて、本来のパフォーマンスが発揮できない。そういう苦い思いを嫌というほど味わって、いつの間にか「ビクビク」しながらゴルフをするようになっていた。

シード落ちしてからも、「俺はへたくそ。もっとショットが良くならないと、戻れない」と、悪あがき。ますます深みにはまっていった。

そんな考え方が変わってきたのは昨春、ジャンボ邸の門をくぐってからだ。ツアー通算94勝の第一人者は見ること、聞くこと、教えてもらうことのすべてが目からウロコの連続だった。
「ジャンボさんは、ゴルフ仙人。あの人を見ていると、俺の悩みなんてまだまだ甘いな、と」。
良い意味で、腹が据わった。コースで何が起きてもじたばたしなくなったという。

今年は主催者推薦で、開幕戦の東建ホームメイトカップに出場したが、「本来はここにいられるはずのない選手がいる」という負い目が邪魔をして予選落ち。
しかし今回は、過去幾度かのマンデー挑戦で「初めて自力で勝ち取った出場権。堂々とやれている」と、胸を張る。

まして、上位での決勝進出に、ますます気持ちが大きくなる。
「まあ、明日80打ったら、また練習すればいいんだから」と豪快に笑ってから、「いや、本当は怖いんですよ」と、苦笑しながら本音もちらり。

今年のQTは3次からの挑戦だが、それもあと1ヶ月後と迫り、「実は怖くてたまらない」。
しかし、それだからこそ、常に強気でいたいのだ。
「心臓バクバクの中で何か結果を残せたら、今井克宗の人生の第二章が始まる気がするから。QTは、1000%通りますよ。来年の出場権は必ず取ります」。
その前に、「ツアーに爪痕を残しておきたい。もうビクビクしたゴルフはしたくないから。自分の全力でぶつかります。そしてみんなに改めて“へたくそ”と言ってやります」と、ニヤリと言った。

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