記事
ロイヤル・バークデールのモンスターが姿をあらわした <3日目>
昨日ただ一人のアンダーパーをマークした韓国のチェ・キョンジュもこの日突風の中では太刀打ちできなかったものの、なんとかトータル4オーバーでトップのグレッグ・ノーマンに2打差の2位をキープして最終日の優勝争いの一員に名乗りをあげた。
「99年のカーヌスティの時よりタフな一日だった。ショットもパットもコントロールできなかった。風でボールが動きそうで気になってうまく打つことができなかった。」と今日の強風の中でのプレーがただものでない事を語った。スコアと順位を落としたものの2打差の2位につけたことについては「まだ、優勝を狙える良い位置につけている。」と明日の逆転優勝に燃える。
チェは1999年にアジアのツアーと日本のツアーのジョイント試合であるキリンオープンにアジアからの選手として参戦し、見事優勝している。その年、日本のツアーで優勝した権利により日本のツアーの出場資格を手にしたチェは、自身次の大会となった日本プロで36位タイ、そしてその翌週行われた宇部興産オープンであっさり日本ツアー2勝目を挙げた。その年12試合に出場し2つの優勝を含むベスト10に4回入るなどの活躍をみせた。
その後米ツアーへ渡ったチェは、今季ソニーオープンでの1勝を含む通算7勝を米ツアーで挙げており、現在のワールドランキングも11位と世界の一流プレーヤーの一人だ。ちなみに99年以降日本ツアーへは、02年と04年のダンロップフェニックスに出場しており、両方とも3位にあっさり入る活躍を見せている。
今年で第137回もの歴史を誇る全英オープンだが、まだアジア人が優勝した事がない。過去、全英オープンのアジア人として現在までの最上位記録を持つのは呂良煥。呂は1971年の今大会と同じコースであるロイヤル・バークデールで優勝したリー・トレビノと優勝争いを演じて2位となり一躍“ミスター・ルー“の名を世界に知らしめた選手だ。この時、試合中に呂が打った球が大きく曲がりギャラリーの老夫人を直撃してしまった。呂はプレーそっちのけで駆けつけて謝り、ラウンド後も病院へ直行し見舞いに行くなど、この行為が当時話題となった。日本のツアーでも過去8勝を挙げている選手だ。
明日、チェ・キョンジュが見事優勝する事が出来れば、第137回全英オープンの歴史にアジア人として初めてその名を刻むことになる。