ここに来るまでは忘れていたが、会場のザ・ノースカントリーゴルフクラブは相性の良いコースだ。

ゲンの良い大会でもある。

昨年は自己ベストスコアの３位タイにつけて、初シード入りへの大きな足がかりとしたばかりか最終日には、もっともアグレッシブに攻めた選手に贈られる「長嶋茂雄賞」を獲得した。

アルバトロス１回につき１０、ホールインワンが８、イーグルが６、バーディを１ポイントで換算するこの特別賞は、表彰式で大会名誉会長の長嶋茂雄氏から直々に、賞金100万円が手渡されるとあって、津曲のように元・野球少年ならずとも、誰もが喉から手が出るほど欲しがる垂涎の賞なのだ。

合計24ポイントを稼ぎ、あのとき震える手でミスターの手を握り返した津曲は、もちろん今年も２年連続の受賞を狙っている。

それだけではない。昨年のドライビング王は今週、３番と18番ホールで計測中のドライビングディスタンス賞の50万円（日本カルミック提供）も射程に入れる。
現在、同ランク４位につけて、最終日まで豪快にぶっ飛ばす構えだ。

そして狙いはまだ他にある。
それはもちろん、一番の大物。念願のツアー初優勝だ。
「今年はその３つを獲るつもりで･･･」。
大きなことを言って、報道陣を喜ばせたあとに慌てて「冗談ですよ」と手を振ったが、せっかく北海道が舞台なのだ。
目標もデッカイほうがいいに決まっている。

• 津曲 泰弦