記事

日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

平塚哲二が64をマーク

20メートルのアプローチをウェッジで直接入れた9番のチップインイーグルを含むこの日の64は、その内容を思い出すのにもひと苦労だ。

ただでさえ強い傾斜のグリーンは、早朝からカラっとした晴天に硬さも速さもグングン増して、しかも午後から吹き荒れた強い風。

今季好調のパッティングを持ってしても、「まったく安心出来ない。重要なのは、乗せる位置。その辺考えないと、ひどい目に遭う」。
1打1打、けっして「気の抜けない」18ホールに最後はほうっと息を吐き、「余裕なんてなかったですね」。
それだけに最終18番は、ピンそば2メートルのチャンス締めに、カップインの瞬間は思わず飛び出た「OK!」との掛け声に、こぶしも効いた。
会心の第2ラウンドは「完璧でした」と珍しく、自画自賛も飛び出した。

前日初日はショットが「ボロボロ」。原因は分かっていた。上から打ち込む傾向が、強くなりすぎていた。しかし、ホールアウト後の練習でも修正のしようがなくて「もうや〜めた!」。
嫌気が差して早々に切り上げた。

その分、この日はスタート前のアイアン練習で、高めのティアップで打つのを繰り返してスタートしたら、「コースに出たら、普通にスっと回れたので」。
ショットもパットも、コースマネジメントもすべてが噛み合い、2位と3打差の単独首位に躍り出た。

アジアンツアーは、マスターズと同週に行われた4月の「エアガバン・ミャンマーオープン」で、すでに今季1勝。
2位と10打差のぶっちぎり優勝を達成した勢いは、まだ続いている。
もちろん、このプロ日本一のタイトルは、「メジャーなんで。勝ちたいなという気持ちはある」。
しかし難コースを前にして、そんなことを考えながら回る余裕などあるはずがない。
「あまり勝ちたいと思いすぎるとどこに球が飛んでいくか分からないから。気楽に行きます」と、ひとまず無欲を装った。

関連記事