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アジアは逆転を許す…!!
勝ち星を持ち帰ったのは、初日にアジアで唯一、黒星スタートだったチャーリー・ウィとW・リャンの韓国と中国ペア。前日の雪辱を一気に晴らす5&4は、チームで9個のバーディを奪う圧勝だった。
しかし、ほかはジーブとブーラのインド組は4&3で敗れ、昨年から負けなしだったジェイディとマークセンの地元タイ・チームも3&1で、世界ランク7位のステンソン組の前に倒れた。
我らが日本ペアも、最初の2ダウンから快勝した前日初日の再現、とはいかなかった。最後まで、手も足も出なかった。カールソンとハンソンの、見事なコンビネーションには付けいる隙も見あたらなかった。
小田孔明は「あれだけ先に入れられたら、どうしようもない」と唇を噛み、石川遼も悔しげに、「今日は終始、先手を取られた。先につけられ、先に獲られた」。
昨年のバーディ率で1位と2位は、日本が誇る最強ペア。しかし、2人の“専売特許”がどうやっても勝利に結びつかない。
2番の石川の7メートルのバーディも、ノーレンがピンそば50センチのイーグルで、報われなかった。
浮島ホールの8番パー3は、石川が8アイアンで1.5メートルにつけるティショット。しかしノーレンに、それより遠くから先に入れられ泡と消えた。
「相手はミスしても、絶対に崩れなかった」と石川は感嘆の息を吐いた。9番で、欧州ペアは揃って池に入れたがカールソンが、長いパーパットを決めてきた。小田は、2メートルもない絶好のバーディチャンスを外した。
逆転の好機を掴み損ねた。
世界ランク28位のカールソンの安定感は今さら言うまでもないが、度肝を抜いたのはノーレンだ。特に13番。
ティショットを深いラフに打ち込んだノーレンは、第2打でカールソンを呼び寄せアドバイスを仰ぎ、しばし逡巡していた。石川が「これは、チャンスかもしれない」とひそかに逆襲に色めきたったのもつかの間だった。
なんと、ピン5メートルに乗せてきた。「思いをすぐに打ち消して気持ちを切り替えたけれど、ノーレンは思ったとおりに決めてきた」。とうとう5ダウンで万事休すだ。
小田が思わず「苦しかった」と息を吐く。
石川はカールソンに、「遼はあの年齢にしては成熟したプレーをする。いち選手として彼のこれからを、見守っていきたい」と褒められても、なんの慰めにもならない。「僕らが頑張れば、もうちょっといいマッチになったのに」と、唇を噛む。
「お互いに、もう少し出来たんじゃないか…」と、残念そうに口を揃えた。
この反省は、最終日こそ生かす。打ちのめされたままでは終われない。むしろ、この日の敗退が2人の心に火をつけた。小田は「今日はほんとうに悔しかったから。明日は絶対にリベンジします」と勇ましく、石川も「今日はマッチプレーの怖さを経験出来た」と前向きに、「今日でもう1回、引き締めて臨める。この経験を生かして最終日こそ良い日にしたい」と、思いを新たにしていた。
<2日目(フォアボールの結果)>
ジーブ・ミルカ・シン&ガガンジート・ブーラーvsコリン・モンゴメリー&サイモン・ダイソン 4&3
5&4 チャーリー・ウィ&W・リャンvsソレン・ケルドセン&ピーター・ハンソン
石川遼&小田孔明vsアレキサンデル・ノーレン&ロべルト・カールソン 6&4
プラヤド・マークセン&トンチャイ・ジェイディvsヘンリク・ステンソン&パブロ・マルティン 3&1