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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2010

ローウェストアマチュアは台湾出身の洪 健堯(コウ ケンギョウ)さん

この日最終日の2バーディ1ボギーのゴルフもさることながら、やはり圧巻はなんといっても前日3日目の予選第2ラウンドの67だ。プロすら手こずる強風の中、通算2オーバーは32位タイで、決勝ラウンドに進んだ。

もっとも今年は初日が荒天のため中止となって、2日目に仕切り直しの第1ラウンドが終わった時点では、絶望的だった。

土曜日の予選ラウンドは、「スタートホールであまりにも人が多くて。緊張してしまったんです」。慣れないトーナメントの雰囲気にのまれていきなりトリプルボギーを叩いたのを引き金に、77を打った。

98位と、大きく出遅れた反省から「明日は予選通過とか、余計なことを考えず、リラックスして自分の出来ることにベストを尽くそう」と、気持ちを入れ替えた。

するとたちまち「パットもショットも良くなりました」。
今年は1ヶ月前に、母国のナショナル大会「台湾アマ」で頂点に立ったという底力を余すところなく発揮して、迎えた最終日はもうひとり、予選を突破した実力者を封じた。

2年連続のローウェストアマチュア賞を狙う東北福祉大3年の藤本佳則くんに6打差をつける“圧勝”で、みごとタイトルを手にした。

日本ゴルフ協会主催の大会は、まずアマチュアから表彰を受けるのがならわしだ。表彰式で、チャンピオンのブレンダン・ジョーンズより先に、記念のトロフィを受け取って、「今日も余計な意識はしないようにプレーしましたが内心はこれを狙っていましたから。とても嬉しい!」と、こぼれた笑顔はまだあどけない。

父親に才能を見いだされ、9歳から本格的にクラブを握ったという19歳の将来の夢は、もちろん「プロゴルファー」だ。そのための青写真もちゃんと頭にある。来年は母国で1年間の兵役に就いたあと、アメリカの大学に進む予定にしている。

それまでに、磨けるだけ腕を磨いておく。
次の試合予定は「アジアンアマチュア選手権」と、今大会の結果で資格を得た10月の日本オープン。
「ぜひ出場して次も頑張ります!」と、さっそく張り切っている。

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