記事
日本オープンゴルフ選手権競技 2011
2011年のローアマチュア賞は台湾の洪健堯(コウケンギョウ)さん
セカンドアマの浅地洋佑くんとは、結局3打差つける“快勝”だったが、この日最終日はわずか1打のリードでスタートするなり、1番から連続ボギーを打った。
「昨日と同じミスをしてしまった。ラフから出せなくて、ホント僕はバカだ」と自分を責めたが、昨年の台湾アマ覇者は引きずらない。
次のパー3は、相性の良い3番で、4日連続のバーディを奪って、即座に気持ちを切り替えた。
この日1オーバーで折り返しても、なお「ドキドキ」のバックナイン。その時点で、すでに浅地くんとはけっこうな差がついていたとはいえ、この難コースでは、何が起きるか分からない。
昨年5月のアマ大会「ネイバーズトロフィー」で、母国の台湾代表としてここ鷹之台カンツリー倶楽部は経験済みとはいえ、「プロの試合とは、コースも、ラフの長さも違いすぎます。どうか、私にパーを取らせてくださいと神様にお祈りしながら回った」。最終ホールまで、心休まる瞬間など一度もなかったという。
それだけに、最後の最後も願いが届いて安堵の溜息。「パットで4つかかっても、もう心配ない」。そう思ってグリーンに上がれば、自然と19歳のあどけない笑顔もこぼれ出る。
台湾にもプロの試合はあるというが「国ではプロゴルファーは、それほど大切に扱ってもらえない」。しかし日本はアマチュアの洪さんにもサインを求める列が出来たり、「プレー中も、必ず拍手をしてくれるし、暖かく接してくれたり、選手をもてなしてくれるのが素晴らしい」と感じればこそ、今回の受賞もことのほか嬉しい。
「ハッピーです。これまでのゴルフ人生で最高の瞬間です!」。
昨年、地元の高校を卒業して、大学進学するつもりだったが、軍隊に召集されて、実はいまは「兵役ゴルファー」。来年の3月には任務も終わる。
「そしたらプロを目指します。アメリカでやってみたい」。
今回のタイトルもひとつの“勲章”に、来季は世界最高峰のツアーに名乗りを上げるつもりだ。
セカンドアマチュアの浅地洋佑くん(=写真3枚目)
「耐えるところは耐えて、攻めるところは攻めて、メリハリをつけられたし、今日は満足。前半はティショットが良くなくてチャンスにもつけらず、イライラしてしまったけど後半はフェアウェイに行きだして。バーディも取れたし良かったです」
東北福祉大2年の松山英樹さんは通算13オーバーの44位タイで2年連続のローアマならず
「今日は4番から3連続バーディを取って、可能性あるかなと思ったけれど、8番で3パットに目標も途絶えました。オーバーパーを、せめて一桁台にしたかったのですが。達成できなかったけど、最終日は安定したプレーが出来たので満足です」