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150周年記念大会の全英オープンチャンピオンは、南アフリカ出身のルイ・ウェストへ―ゼン

18番ホールのグリーンでは、張りつめていた緊張の糸は既に切れていた。グリーンの傾斜を読む時も、4日間を共にしたキャディと話す時も、喜びが込み上げてくる。安全圏の7打差のリードは優勝を確信させるのに十分だった。

最後のウイニングパットを沈めると、18番グリーンに7か月の愛娘のJanaちゃんを抱えた妻のNel-Mareさんが駆け寄って来た。そして、熱い抱擁を交わし3人で喜びを分け合った。

単独首位でスタートしたルイ・ウェストへ―ゼンは、今日唯一のピンチとも言える5番ホール。
ティグランドから打ったボールは、広大なダブルグリーンから大きく外れ左ラフへ。ボールをすっぽり隠してしまうほどの生い茂ったラフからのアプローチは、ピン横7メートルに付く起死回生の一打。

逆に4打差で追いかけるポール・ケーシーは、12番ティショットでセントアンドリュースのオールドコースのいたるところに見られる藪に入れてしまう。ゴース(GORSE)と呼ばれハリエニシダという種類。

その中に入れてしまえば、ロストボールかアンプレアブルは必至で、ポールも例外ではなかった。アンプレアブルし5オンの2パット。このホールをトリプルボギーとすると、優勝争いから一気に脱落。

ルイはピン横4メートルにつけナイスバーディ。ここで8打差がついて勝負あり。
最後まで戦ったポールに対して「彼はとても素晴らしく偉大な人物だ。絶対にメジャーで勝つと確信している。」と激励を送った。

風の強いコースには絶対の自信を持っており、それは彼の生まれた場所にある。

ルイは南アフリカのモッセルベイ出身で、1982年10月19日生まれの27歳。
家族は農家で生計を立てており、南アフリカの人達の中で才能ある若手を育てようと1999年に創立されたアーニ―・エルス財団の出身。風の強いモッセルベイで技を磨き、そこから世界の舞台へと羽ばたいた。

財団の創設者であるエルスは、「彼は驚異的な子供だったんだ。財団初のメジャーチャンピオンになって、とても誇りに思うよ。彼の人生はこれからきっと変わるだろう。」とコメントを寄せた。

ルイもモッセルベイゴルフクラブでジュニアのゴルフアカデミーを持っており、自分が育成プログラムで育った恩返しとして活動を既に始めている。

今日の優勝は偶然にも、祖国の政治家であるネルソン・マンデラの誕生日。
今朝インターネットのニュースで初めて知って「特別な事で驚いている」と、南アフリカ全土の期待に応える優勝となった。

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