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清水洋一が首位タイ浮上/マスターズGCクラシック2日目
173ヤードの14番パー3は、5番アイアンでピンそば1メートルにつけた。このバーディで波に乗った。
67の5アンダーをマークして、通算7アンダー首位タイで決勝ラウンドを迎える。
今季6試合に出場して、予選通過はわずかに2回。開幕から低迷が続いていた。
ショットの調子が良くない。
「芯に当らない、飛距離が出ない。原因は分かってるけど、解決法が分からない」。
2週前のJCBクラシックでは「8番アイアンで130ヤードしか行かなくて。ショックを受けた」という。
試行錯誤を続けるうちにますます不振に陥った。
とうとう「もうゴルフはしたくない」というところまで、精神的にも落ち込んでいたのだ。
復調のきっかけは、オープンウィークを利用して推薦を受けて出場した先週のアジアンツアーだ。
タイのバンコクで行われた「バンコクエアウェイズオープン」の会場のサンティブリサムイCCは「狭くて、アップダウンがものすごくて、おまけにジャングルみたい」。
何より、ショットの精度が要求されるコースで「以前の調子が良かったころのスイングを思い出した」という。
各国の選手たちのハングリーなプレーぶりにも刺激された。
気温は連日30度を超えて、最終日に3位タイにつけた同ツアーメンバーの清田太一郎に言われた。
「ここではまず、体力温存が勝負です」とのアドバイスに、清水も思わず大きくうなずいたほどだった。
3日目は、地元のスーパースター2人と同じ組。
そんなタフなコンディションにもかかわらず、タイのプラヤド・マークセンと、トンチャイ・ジェイディは猛然とスコアを伸ばし、あっという間に優勝争いに加わった。
本人は結局43位に終わり、「俺ももっと頑張らないと」という気にさせられたという。
持ち帰った手土産をさっそく生かすときが来た。
「ぜひ今週結果を出して、次週からまた始まるレギュラーツアーの良いきっかけにしたい」。
自信を取り戻すためにも、ぜひ頂点を目指したい。
清水洋一
1963年2月13日生まれの44歳、埼玉県出身。埼玉県立日高高校を卒業し、地元・百貨店入社後にゴルフを始める。9年間、スポーツ用品の販売を担当していたが27歳で一念発起。
「もっとゴルフがしたい」という欲求をおさえきれず、プロの道を目指した。
テストを受けて、ゴルフ場連盟の研修会に入り、レッスン業のかわたら練習を積んで、42歳の2005年からツアーに本格参戦。
しかし、毎年初シードにはいま一歩及ばず、今季はファイナルQTランク15位から執念を燃やす。
趣味は、サッカーとスキーと、2005年2月に生まれた待望の長男・太陽くんの子育て。