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東海クラシック 2000

“新人賞”どころか、初Vのチャンス

ツアープレーヤー1年生の今井克宗、単独2位

 今年、新たに設けられた『Rookie of The Tokaic Classic』、ツアープレーヤーに転向して3年以内、またはツアートーナメント出場が通算30競技未満で、最終成績が最上位だった選手に新人賞として100万円(複数均等割)が贈られるというものだ。

 前日2日目。通算3アンダーで12位タイにつけた今井克宗が、新人賞・該当選手の中で、もっとも受賞のチャンスに近いことをお伝えしたが、新人賞どころの騒ぎではなくなってきた。

 「僕は賞に縁のない気の弱い男。3日目は絶対に崩れますから、新人賞はありえない」と語っていた今井が、66のベストスコアをマーク。
 通算9アンダー単独2位に浮上して、初優勝も狙える位置に浮上してきた。

 そんな絶好のチャンスを迎えても、「新人賞もない。優勝もありえない」と言い張る今井の真情は…。

 「好スコアの要因? …自分ではわかりません。
 朝の精神状態は『66』ではなくて、『76』ぐらいの感じでしたから。
 しかも、伊沢さんと同じ組ということで、多少、吐き気もしていたぐらい。
 そんな状態だったのに、スタートして1番でピタっとくっついて(1メートル)、2番、3番でもかなりリラックスして出来、4番でもまたピタっと付けられた(8番アイアンで1メートルに)。

 ピンチは、10番くらい。アプローチが4メートルオーバーして、ラインもよくわからなかったのに、なぜか入ってしまった。

 かなり集中した状態で、朦朧(もうろう)としながらやっていましたね。
 今日、伊沢さんと一緒にまわるとわかったときは『嫌だな〜』と思いましたが、明日もまた(最終組、10時35分スタート)一緒なんですよね…。伊沢さんは球ひとつ、アプローチひとつ取っても本当にすごくて、今日は、まるでギャラリーをしているみたいな気で、見入ってしまいました。

 ノーボギーのゴルフは初めてです。
 66というスコアを出せたことは非常に嬉しい。
 でも、ビビリ屋で気の小さいタイプなんで、明日は最終組で回ると思うと、またつらい夜を過ごさなくてはいけません」

★ 今井克宗
 ゴルフをはじめたのは21歳のとき。
 法政大学時代はテニスサークルに在籍したが、1年生終了時に留年したのをきっかけに、そのまま中退してしまった。
 その後、千葉県・緑区で父、利彦さんがゴルフショップ兼クラブ工房の「今井ゴルフ商会」を経営していた関係で、今井も、将来のことを考えてゴルフの道へ。ツアープレーヤーをめざし、米カリフォルニア州サンディエゴへ約3年半のゴルフ留学をした。
 帰国後、日本プロゴルフ協会のプロテストに4回挑戦したが、失敗。
 昨年末、日本ゴルフツアー機構の『ファーストクォリファイングトーナメント(ファーストQT)に出場し、順調にファイナルQT(42位、第2回リランキング後は22 位)まで進んで、晴れてツアープレーヤー1年生に。
 今季、初めてツアーに本格参戦し、「自分に足りないものは数え切れない。でも、もっと努力すれば、なんとかやって行けそうかな、という自信もついた」と話す。
 現在、賞金ランク88位(601万3,328円)。今週、もし勝てば文句なしのシード入り。単独3位以上(680万円)なら、シード入りの夢が膨らむ。

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