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日本プロゴルフ選手権大会 2000

普段は感情を露にしない東聡から、この日2度の派手なガッツポーズも飛び出した。

前半は、幾度もラフにつかまり、パーオンができない。バーディチャンスに寄せきれない。3番、8番でボギー。それでも、「焦りはなかった」と東聡。

「ボギーの出るホールは3番、8番、10番と12番。自分でちゃんとわかっているから。それに、気持ち的には昨日までと変わってないつもりでも、やっぱりフェアウェーに打ちたい気持ちが強く出すぎていた。打ってみたい球をテストしながらでもあった。前半終わっての2オーバーは、納得ずみだったから」(東聡)

前半とは「違う気持ちで」迎えたハーフターン。10番パー4で12メートルのバーディパットをど真ん中から沈めると、ガッツポーズも飛び出した。これで波に乗り、続く 11番でも2.5メートルを沈めて連続バーディを奪った。
そして見せ場は15番、460ヤードのパー4。深いラフに打ち込んだ残り24ヤードの第3 打は8メートルほど転がって、カップイン。普段は、感情を露にしない男が、この日、2度目のガッツポーズ。指を1本立て、派手に右手を突き出した。

自信に満ちている。
朝は約2時間のトレーニング。ホールアウト後は、日が暮れるまで、練習場で打ちこみ。「1日で、毎日やることを決めて、それをこなしているだけ。これでも、まだまだやり足りない。時間がもっと欲しいくらい」という。「やるだけのことは、やっている」との気持ちが、東のプレーを支えている。

最終日は、5年ぶりのVにむけ、12時59分にティオフ。「でも、優勝の意識はない。終わってみて、勝っていればそれでいい」と、無心で挑む。

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