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アイフルカップ 2000

昨年の今大会で初日2位に立ちながら、2日目に77を叩いて予選落ち

最後はきわどいパーパットも決めて、平塚(右)は笑顔でホールアウト(左は同組の横尾)
「あれから1年、精神的にも技術的にも成長できたと思う」と苦い思い出も断ち切って、平塚哲二がツアー初Vを狙う。

 「プレッシャーにすごく弱いんです」と言って、平塚哲二が人の良い笑顔を浮かべた。
 昨年の今大会は、初日に67でまわって2位タイに。しかし、2日目にして早くもプレッシャーにつぶされ、バックナインだけで6オーバーという大叩きをして予選落ち。
 「あれから、気持ちを落ちつかせるように、いろいろとやってきました。たとえ、初日に上位にいても『まだまだ、最終日の18番にこの位置にいて、ようやくプレッシャーがかかるくらいで充分』と自分にいいきかせたり、予選ラウンドでは『一生懸命やって落ちても、それはしょうがない』と思うようにしたり…。それでずいぶん、成長できたと思う」

 技術面では特に、ツアーで行動を共にする地元・関西勢の先輩プレーヤーたちの技を盗んだパッティングが、「1年前より数段によくなっている」と自己分析する。

 「僕はいつもモノマネから入るんですが、1番参考しているのは原田(三夫)さん。非常にゆっくりとした柔らかいタッチで球を転がしているのに、カップに近づくほどグングン伸びて行く。弱そうでいてちゃんとカップに届く…。僕にはない微妙なタッチがすごく気にいって、参考にさせてもらってます」

 3日目のこの日も、5メートル以内のチャンスパットを次々決めて65のベストスコアをマーク。
 最終18番では、ピン奥15メートルにつけた「苦手な」くだりのバーディパットを4メートル以上もオーバーさせたが、「あのくらいの距離は、お腹がすいたりして集中力が欠けているときハズしやすいんですけどね(笑)…我ながらよく入れました」と、しっかり読みきってパーセーブした。
 通算10アンダー、単独3位は首位と3打差。昨年の苦い思い出も、いっそツアー初Vをあげて払拭したい。

★ 平塚哲二
 10歳のとき、父親の勧めではじめてクラブを握る。そのとき師事した太田了介プロとは、ツアープレーヤーになった今でも2週に1回は会い、「プレッシャーなんかかかってる場合か!」と、どやされるそうだ。
 平安高校ゴルフ部2年の時、関西ジュニアで優勝。その後、日本体育大学に進み94年にプロ転向。
 今季の出場優先順位を決めるファイナルQTランクは34位だったが、5月の日本プロで4位、6月のフィランスロピーで7位に入るなど健闘し、先週の大会後に行われた“リランキング”で同ランク4位に浮上している。

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