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中日クラウンズ 2009

平塚哲二が単独首位キープ

この和合でボギーなしの64。7番で3メートルのバーディチャンスを決めた。このあたりから「波に乗ってきて、今日はいけそうやなあ、って。気持ちいいなあ、楽しいなあ、と思いながら、良い緊張感でやれた」という。

最終日を前に2位に4打差をつけながら、しかし安心は出来ない。
「明日は80くらい打つんと違うか・・・」。そんな不安がぬぐえない。
「僕の場合は、始まってみないと分からないんです」。
2年前から、ドライバーの「イップス」にかかっている。

症状は徐々に深刻になった。
「ドライバーはどこに飛んでいくのか分からず、打った瞬間に視界から消える」。
7番アイアンでも「3、40ヤードは左へ行く」。

もっとも練習場ではまっすぐに打てるのだ。しかしコースに出たら、たちまち曲がる。
原因が分からないまま、しまいにはチーピンしか出なくなった。
昨年の賞金ランクは2000年の初シード入りから数えて自己ワーストの56位まで落ち込み、「去年の暮れには、ゴルフをするのも嫌になった」という。

「このままでは、ノイローゼになる」。
メンタル面の危機感さえ感じるようになったとき、平塚は考えることをやめた。
とことんまで悩み抜いたことで、逆に吹っ切れた。

「曲がったら曲がったで、もうエエやん」。

その精神が、最終日のリーダーを支える。
「明日は優勝してもいいし、せんでもいいやん・・・。そう思ってます」と言って笑った。
「一生懸命やって、負けたら負けたでしょうがない。気負いすぎると力みも出ますし、考えないほうが、自分のゴルフができるはず」。

ここ和合が余計な思考が入る隙間もないほど、難しいコースであることも幸いしている。
「それのほうが、かえって良い振りも出来ると思う。また今日みたいに楽しいゴルフが続けばいい」。
難コースにめっぽう強い原因も、そのあたりにあるのかもしれない。

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