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三井住友VISA太平洋マスターズ 2012

賞金レースの行方は

目下、40代2人が繰り広げる賞金レースは谷口の言葉が言い得て妙で、「今週は不発」に終わったが、さっそく気持ちを切り替え、2人とも次週に向けて、闘志満々だ。

次はダンロップフェニックス。優勝賞金4000万円のビッグイベントの舞台は宮崎県のフェニックスカントリークラブだ。長年、谷口が冬の合宿の拠点としているコースでもあり「準ホームコースといってもいい。合宿の成果を出す」と、現在賞金ランキング2位につける44歳が、ニヤリと笑った。

追われる藤田は、この日最終日のスタート前に、その谷口から言われた。
「ビッケ(藤田の愛称)が元気がないと、俺も元気が出ない」。
今週は揃って低迷ムードに、そんなことを言われてさすがの藤田もちょっぴり呆れた。

「良いときは自分のせいで、悪いときは人のせい。ほんと、あの人は典型的な勝負師ですよ!」。
しかしそんな風に言われれば、藤田とて黙っておれない。
この日は、インスタートのいわゆる“裏街道”の戦いながら、なんと尊敬してやまない師匠との同組対決。
いまはシニアツアーが主戦場の芹澤信雄には、レギュラーツアーの出場権がないから、「師匠と試合で回れるのは本当に久しぶり」。

希少なチャンスに気合いが入った。
その師匠に「最後に藤田に本気を見せられた」と言わしめたとおりに、後半は上がりの4連続バーディで、賞金ランク1位の底力を示して、「ストレス発散出来ました」と、通算2アンダーの33位タイは、44位タイの谷口にもかろうじてリードを守って充実感が漂った。

先週は、中国で行われた世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」で最終日に11位につけて、帰ってくるなり絶不調。当然、43歳なりの疲れもあるだろうが、それにしても「なんでここまで悪いのか」。2日目も、18番でバンカーからピンそばのバーディで、辛くも決勝ラウンドへと首をつないだが、結局4日間とも散らばるショットにため息は収まらなかった。

それだけに、この日の芹澤とのラウンドは、願ったり叶ったりで、「このあと、さっそく今日のプレーはどうでしたか、と聞いてみるつもりです!」。
師匠から修正のヒントを聞き出せれば、こちらのものだ。完全復調で臨む次週は「谷口さんのためにも頑張らないといけません」。次週こそ、相乗効果の賞金レースを誓った。

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