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3連覇を狙う、JGTO!!
大会に先駆けて3ツアーの出場15選手が、会場の千葉県・キングフィールズゴルフクラブで一同に会して行われた記者会見。
3年連続4度目の頂点を狙う男子のJGTOと、4年連続“万年2位”を返上すべく虎視眈々のシニアのPGAと、3年ぶり2度目のタイトル奪還をもくろむ女子のLPGAと。
それぞれの思惑が交錯した。
JGTOチームは、まずは選手会長の宮本勝昌がマイクを握った。
飯合肇に「なんでまた今年もお前がいるんだ」との“口撃”にもめげずに、「今年もこの最強メンバーで3連覇を狙います」とぶち上げるなど、早くもやる気満々のところを見せつけたつもりだったのだが…。
だんだんと、シニア勢の術中にハマり込んでいく。
中嶋常幸は「背中が痛くてフィニッシュも出来ない僕がキャプテンです。シニアはまるで、イカ刺しに挟まれたスルメみたい」。
賞金王の尾崎健夫も「ほんと最近は目も悪くなっちまってなあ…」などと口を揃えた嘆き節は、もちろん「相手を油断させるため」の作戦だ。
本音はズバリ、「しかしスルメは噛めば噛むほど味が出る!」(中嶋)。
シニアと言えど、5人のメンバーのほとんどがレギュラーツアーとの掛け持ち組だ。かく言う中嶋もその一人で今年も怪我に泣かされながらも、シード権が与えられる賞金ランキングは上位70人にしっかりと食い込んだ。
「いろんなトーナメントで頑張る僕らに、日本の元気の源と言ってくださる人もいるんです」と、胸を張る。
若さでは確かに負けるが豊富な経験に加え、若手に負けない飛距離もある。
そして、何より警戒すべきは、石川も言ったように「シニアの喋り」。
相手の戦意を喪失させる語彙をいくつも持ち合わせていて男子チームには「まずはその攻略が先かな」とも思えてくる。
さらに、もっと困ったことがある。
毎年のことだが、どうもシニアの面々は、やたらと女子ツアーの肩を持つ傾向にあることだ。
確かに、無理もない。女子の平均年齢は23歳。それだけでもおじさん方は、「可愛いなあ」と開幕前からデレデレだ。
セカンドステージの最終マッチは女王の横峯さくらさんと、賞金ランク2位の諸見里しのぶさんの最強ペア。
横峯プロが「まずティショットは私が打って…」と、その作戦を明かした。
瞬間、完全に目がハートのジェット尾崎がすかさず言った。
「セカンドショットは僕が打つ!」。
これには、石川もあっけにとられた。すっとんきょうに、声を上げた。
「もしかして、シニアと女子でチームを組んでいるんじゃないですか…?!」。
これは本当に手強いことになってきた。
実はこの大会は、男子VSシニア&女子の対抗戦……?!
女子ツアーも大会は5回目を迎えた今年はもはや手慣れたもので、「シニアのみなさんに助けてもらいながら頑張りますっ!」(諸見里選手)と、ますますいぶし銀の面々を手の内にして、2006年の2回大会に続く3年ぶり2度目のタイトル奪還を虎視眈々と狙っており、男子ツアーはいよいよピンチ?!
いやいや、技のシニアと可憐な女子が束になっても、今をときめく男子ツアーには及ばない。宮本も言ったように、JGTOチームは10代から40代までずらりと揃ったラインナップ。
若きパワーを片山晋呉と宮本の30代コンビが技で補い、それをさらに、40歳の藤田寛之が経験で武装する。
そして、何よりチームを引っ張るのは18歳の賞金王だ。
2年連続2度目の出場を果たした石川は、「今年は技術面でも精神面でもかなり良い経験が出来たから。シニアツアーのみなさんの喋りにも、耐えられる精神力も養われた」と、自信をのぞかす。
「手加減しないよ!」と、中嶋が飛ばしたヤジもなんのその。
その声を遮ったのは、すでにベテランの風格すら漂う23歳。池田勇太が「口は俺に任せとけっ!!」。
3連覇を狙う男子のJGTOは若い2人を筆頭に、決戦前からすでにチームワークは抜群だ。