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中嶋常幸による「ヒルズゴルフ・トミーアカデミー」を開催(6月22日)

梅雨の中休みの晴れ渡る青空のもと、茨城県の静ヒルズカントリークラブにて、「ヒルズゴルフ・トミーアカデミー」が開催され、高校、中学、小学生のジュニアゴルファー96名が参加した。

「ヒルズから世界へ」をテーマに行われたこのアカデミーは、中嶋常幸が主宰する新たな取り組みで、ズバリ、優秀な選手の発掘・育成を目指している。
施設を提供する静ヒルズカントリークラブは、森ビルグループが運営するコースで、街づくり企業ならではの長期的視野に立った取り組みという点で、両者の思いが一致している。

スタート前の練習場で中嶋は、各打席をまわって一人一人のショットを見て回り、スタートホールでは全てのショットを背後から見定め、正面からのビデオ撮影も行い、スタートが終わると、乗用カートでコース内を巡回した。

結局、昼食の時間もままならぬまま、早朝から日が暮れるまで、宝石の原石を探すかのように、休むことなくコースの隅から隅までを走り回って、ジュニアたちのプレーの様子を見て回った。

更に息つく間もなく行われた、競技終了後のセミナーでは、このアカデミーへの思いと、自身のジュニア時代の経験を、切々と話し伝えた。

中嶋が10歳でゴルフを始めたジュニア時代、同い年のジュニアゴルファーとゴルフ場で出会うのは年に1回あるかないか。その頃の自身の技術と比較して、「数段にみんなが上手で言葉が出ないほど。」と最上級の賛辞をおくった。

そしてジュニアからプロへの階段を上っていくうえで、支えられたキーパーソンについて、桐生市民ゴルフ練習場のおばさんの存在を、「重たい防球ネットを背中に担いで、打席を背にして、一球一球ボールを手で拾っていた時代に、10箱のボールを頼むと、10箱、そして更に10箱を毎回、無言で置いてくれた」そうで、プロになるまでに何万発というボールを、自分のために拾ってくれた話を紹介。選手も保護者も引き込まれるように聞き入り、感謝することの大切さを伝えた。

更に、父親に褒めてもらうことが少なかった中嶋だったが、父が亡くなった後、母に宛てた手紙を見る機会があり、それが自分のために「褒めるな」と一文があることを知り、その愛情を後に知ったそうだ。そして「みなさんは宝石と職人です。宝石をどう削るか、どう育てるかは職人の腕次第。」と保護者に対して深いメッセージを送った。

この日のアカデミーを終えた中嶋は、早速、スタートホールで撮影したビデオと、名簿に書き込んだメモに、熱心に目を通し、スコアだけではない評価により、自身が目配りできる人数に絞ったあと、選抜されたメンバーを対象にキャンプなどを行い、ハイレベルな指導と育成行っていくという。

ジュニアから育った中嶋の、ジュニアゴルファーへの愛を込めた恩返しが、本格的にスタートした。

尚、森ビルが主催する中嶋常幸の愛称を冠した、「静ヒルズトミーカップ」は、来月7月12日から14日の3日間、静ヒルズカントリークラブで開催される。

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