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ジョージア東海クラシック 2002
「勝ちたかった…」
この2位タイで、賞金ランク48位まで浮上し、来期のシード権を確保。
だが、川原の表情は冴えない。
「欲を言ったらキリがない、けど…」
勝ちたかった…という言葉は、喉元でしまいこむしかなかった。
「悔いが残る」のは、もちろん、単独首位で迎えた11番のパー4だ。
3アイアンで打ったティショットは「力が入りすぎて」左の木の根元へ。
とりあえず、出しただけの第2打は、今度は反対側のラフにもぐりこみ、
「そこから、とりあえずグリーンに乗せる、というショットでいいのに、ダイレクトにピン方向へ…」
後悔しきりの無謀な攻めが、さらにミスを呼び、5オン2パットのトリプルボギー。
「すべては、僕の経験のなさ」と、顔をしかめて、ため息をついた。
だが、そんな身もだえするような悔しさの中にも、大きな収穫はあった。
決勝ラウンド2日間のゴルフは、自身のゴルフ人生にないくらい、集中してプレーができた。
「こんな経験は、初めてのこと。きっと、次につながると思う」
どんなに曲げてもパーを拾ってくる谷口のしぶといゴルフを目の当たりにして、「いつかきっと追いつく」と、川原は口元を引き締めた。