記事

TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Lake Wood 2011

津曲泰弦(つまがりたいげん)は、「分かってますよ」

先週のフジサンケイクラシックで、諸藤(右)の勝利を祝福しながらも「やっぱり悔しい」と本音を漏らした津曲
持ち前の豪打も、アイアンも、課題だったパッティングも「久しぶりにすべてが噛み合った」と、6アンダーは66に「先週の刺激が来てます」と、この日は単独4位のスタートも、何よりその1点に尽きる。

先週のフジサンケイクラシックでツアー初優勝をあげた諸藤将次(もろふじまさつぐ)は、「高校時代からのライバル」。

地元九州では諸藤がいた沖学園高校と、津曲の柳川高校が、ずっと火花を散らしてきた。
津曲はひとつ年下ながら、遠慮のない対抗心を燃やしてきた。

いずれも、破格の飛ばし屋だが「それでも当時から諸藤さんのほうが飛んでいた」。
津曲がドライバーで打ったショットが、諸藤のスプーンとほとんど同じ位置だったりしたときには「本当にむかついた」。

諸藤の性格の良さはかねてから知っていたものの、顔を合わせても「挨拶程度」と、互いに意識しまくっていた。プロ入り後も、若気の至りそのままに「なかなか踏み出せず」。
そんな2人がようやく歩み寄ったのが、やっと今年になってから。

4月の北九州オープンで一緒になって、「今度ゴハンでも行こうか、と」。
約束した初の晩餐は6月に実現した。「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」で夕食をともにして、思いのほか意気投合した。
「お互い、大人になったね」と、笑いあった。

とはいえ、ライバル心がなくなったわけではない。先週、最終18番ホールで先輩を出迎えて祝福した津曲だったが、内心はメラメラだ。
悲願の初優勝を、諸藤に先を越されて「嬉しい。けど、すごい悔しい!!」と、本音を隠そうともせずに、吐き出した。

「次はお前の番だよ」と言われて、その気遣いに心の底では感謝しながら、素直になれない。「分かってますよ」とちょっぴりふて気味。昨年、失った自身3度目のシード権を取り返すためにも、おちおちしていられない。「頑張りますよ」。ライバルの躍進で、いっそう気合が入っている。

関連記事