記事

サン・クロレラ クラシック 2006

谷原秀人「やるべきことは分かっている」

イーブンパー17位タイからスタートしたこの日の1番ティ。専属キャディの進藤大典さんに、「谷さん、今日は1アンダーで回ってください」と言われて即座に答えた。
「僕は、肉屋で野菜は頼まないよ」。
「・・・いえ、谷さんなら出来ます」とベストパートナーに太鼓判を押されても、半信半疑。

ショットのフィーリングは、5位につけた先の全英オープンよりも「悪い状態。今年1番か2番くらい悪い」という。
まずアドレスからしっくり来ていない。「ボールの位置なのか、テイクバックの上がり位置のせいなのか・・・」。
ややつかまり気味のショットに違和感を感じるが、解決策はまだ見つかっていない。

前日2日目に崩れて後退したのもそのせいだった。
だから進藤さんの言葉も、いったんは冗談ではぐらかすしかなかったのだ。

確かに、期待に100%で答える自信はなかった。
それでも、「そういうに、やるべきことは分かっているから」。

昨年、参戦した米ツアー。
「時間が余って、ほかにやることもなかったから」と、毎日何時間も練習場で粘って練習したアプローチとパット。
ショットが不調のときこそ、アメリカで磨きをかけた小技でカバーだ。

1アンダーどころか、67で回って再浮上。
1打差2位タイに、得意満面。「僕は肉屋だから。野菜は売らないよ!」と言って18番で進藤さんと笑いあった。

全英オープン以降、心なしかついて歩くギャラリーが増えた気がする。
「注目されて、悪いスコアでは回れないという責任感」。
メジャーでの活躍が、谷原のプレーを支えている。

今季これまで、まだ2勝以上挙げた選手がいない。
「ここまで来たからには狙いたい」と谷原が手をあげた。

関連記事