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三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2004

仲間からの手荒な祝福、男が惚れる男・平塚哲二の優勝シーン

難攻不落のモンスター、大洗ゴルフ倶楽部の上がりホールも、きっちりとオールパー で制覇して、2位と5打差の大量リードで、ツアー通算2勝目を手に入れた18番。左手 のパターを突き上げて、ギャラリーの大歓声に応えた平塚は、その姿勢のまま、今度はクルリとグリーンサイドに向き直り、いたずらっぽい笑みを浮かべて「ニッ・・ ・」と、笑ってみせた。
視線の先には、小山内護、矢野東、菊池純、増田伸洋、神山隆志、井上信・・・。全 員、もう数時間も前にホールアウトして、いまごろは帰途についているはずのツアープレーヤーたちの笑顔があった。そのほか、たくさんの知人、友人たちが、平塚のホールアウトを待って、祝福にかけつけてくれたのだ。
男が惚れる男。それが、平塚という選手だ。
ツアーで一番の親友である矢野東は言う。
「ゴルフに対する常に真摯な姿勢と、あの性格。暖かくて男気が強くって、あんなに 強い選手なのに親しみやすくてえらぶらないとこも最高。平塚さんの内面を知ったら、誰でも絶対に好きになってしまうから!」。
負けん気の強さも人一倍なら、仲間を思いやるやさしさも人一倍。だから、平塚のまわりには自然と人が集ってくる。そして笑顔の輪が、できあがる。
ホールアウトまぢかに、いっせいにグリーンサイドに全員集合した気の良い仲間たちは、キリンの缶ビール片手に、今か今かとチャンピオンの登場を待った。
泡ごとを頭からぶっかけて、「おめでとう」の気持ちを表現する計画だった。
ビールを紙コップに移し変え、すっかりスタンバイOKで待ち構えたアテスト直後は、 その企みは失敗。殺気を感じた平塚が横っとびに逃げ、難をのがれてしまったから だ。
再び訪れた2回目のチャンスは、表彰式のあと。カップを掲げたポーズや、ボランティアのみなさんとの記念撮影など、ひとしきり優勝者の儀式を終えて、グリーンサ イドに再び戻ってきた平塚は、今度は観念して、仲間の手に素直につかまった。
はがいじめにされ、「せ〜の!!」でいっせいに降り注がれたビールのシャワー。全身、びしょぬれになりながら叫んだ。「さいっこ〜です!!」。友人たちの手荒な祝 福に、心から酔いしれたのだった。

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