記事
日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズカップ 2004
シード奪回をもくろむ宮里聖志が2位タイの好スタート
16番パー3で、あわやホールインワンのピン横10センチ。続く17番では右OBのダブルボギーとしたもの の、最終ホールでピン左3メートルにつけて3アンダー2位タイフィニッシュに、「思惑通り!」と、満 足げだ。
「ここは上がりの5ホールが難しいので、なんとかパーで乗り切りたいと思ってた。 17番のダブルボギ ーはもったいないけど、結果的にはパープレーに戻せましたから」と、引き締まった胸を反らした。
負けず嫌いで、ほっておいても自らすすんで厳しいトレーニングを積むタイプの弟・優作に比べ、小さ いころからのんびり屋。「ほっておいたら、俺はいつまでもやらないから」と今季から、弟や妹の藍さ んにならって東海大教授の田中誠一氏に師事する。
体調に合わせて作ってもらったトレーニングメニューをこなすうち、自然と体が引き締まり、疲れない 体質に。スイング面にも良い影響が出て、父・優さんには「最近、キレが出てきた」と、ほめられたば かりだ。
6番パー5では、今年、深く生い茂った宍戸のラフもなんのその。左ラフに打ち込んだ第2打を8アイアン で脱出し、再び8アイアンでピン3メートルにつけて、ピンチをバーディに変える底力を発揮。「気を抜 くと、すぐにボギーが出る」この難コースで、しぶとく粘って上位発進だ。
昨年、シード落ちの長男に比べ、弟は先週、優勝争いの末に5位タイ。妹の藍さんはデビュー1年も満た ないうちにツアー通算4勝目(うちアマ時代に1勝)をあげている。
完全に、置いていかれた感のある兄だが「藍ちゃんには当分無理だけど、とりあえず、優作には追いつ いておきたいな」。自称・のんき者にも、ようやくエンジンがかかってきた。