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Indonesia PGA Championship 2014

時松隆光(ときまつりゅうこう)が首位タイに!<インドネシアPGA選手権2日目>

弱冠二十歳の時松が、灼熱のジャカルタで2日目にして首位タイに踊り出た。「今日のピンチは最後くらい」。インスタートのこの日は最後の9番でややフックラインの2メートルを残したが、危なげなくパーを拾って「スコアに関しては、これ以上ないです」。この日のベストスコアタイの64をマークして、大満足の1日だ。

今年の会場のダマイインダゴルフ ブミセルフォンダマイコースインドネシアは、「距離はそんなに長くない」。時松の飛距離は270ヤード前後というが、「ロングでも、2つで届く」。パー5でも、難なくスコアを稼げる。もともと「ガンガン行くタイプではない」とはいいながらも、イケイケどんどん。
この2日間で「フェアウェイを外したのは1回だけ。今日は全部パーオンできた」という安定感との相乗効果で、存在感をアピールだ。

2012年のプロ転向から3年目の今年は昨年のファイナルQTでランク11位につけて、出番を得た。小学時代から、篠塚武久コーチに師事。叩き込まれた異色のベースボールグリップはショットでも、パットでも器用にクラブを握り、特に独特のパッティングスタイルは、ジュニア時代からあの石川遼にも一目置かれていたほど。

本名は“源蔵”と古風な名前のニューフェイスは昨季こそ、初シード入りには失敗したが、ただ指をくわえているばかりではなかった。秋の試合で同じ組で回った谷原秀人。ツアー10勝の先輩プロに、ひそかに舌を巻いた。
「2回ほど一緒にまわらせていただいたのですが、2度とも最初の5ホールくらいまではオーバーパー。でもそこから最終的には3アンダーくらいまで戻してくる。ひとつきっかけを掴むとポンポンと取ってくる」。
自分なら、こうはいかないと思った。「焦る気持ちがどっかに出てくるから」。それは、予選カットがちらつく2日目ならなおさらで、「あれは本当に勉強になりました」。
以来、あのときの谷原を思い浮かべて、たとえギリギリの位置で回ろうとも、変に動揺せずにプレーするようになったという。

そんな心がけはジャカルタでの週末でも、必ず生きてくるはずだ。
「今年はシードを目標に、あわよくば1勝したい」と普段は柔和な目を、いっときぎらつかせた。「明日からの決勝ラウンドでも変に舞い上がらずに、いつも通りにいけたらいい」。厳しい暑さにも、プレッシャーにも負けないつもりだ。

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