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“W受賞”の黄重坤(ハンジュンゴン)は「まだまだ日本で頑張ります!」
「そもそも僕は、飛ばない選手でした」と黄(ハン)は言う。「飛ばす選手が羨ましくて」。昨年夏に一念発起。コーチのイ・スンフン氏と元来のフェード球からドローボールへのスイング改造に着手。
「ヘッドスピードを上げるために、ひたすら素振りを繰り返してきました」という。成果のほどは、ちゃんと数字にも出ている。初年度の2011年には平均270.63ヤードだったドライビングディスタンスが今季は284.86ヤード。もともと定評があった安定感を損ねることなく、パワーアップにも成功して、「賞を獲ろうなんて欲はまったくなかったのですが。飛ばそうと努力したことで、結果的に2つも賞をいただくことが出来ました」。
あどけない表情と黒縁メガネに、アニメ「ドラえもん」に出てくる「のび太くん」に似ていると、選手の間でも評判に。コースを離れれば、カジュアルなジーンズにリュックサック姿は、どこにでもいる大学生といった風情で本人はいたって温厚な性格も、イーグルを獲得するために要するラウンド数を表す「イーグル率賞」では6.7を記録して1位に、よりアグレッシブなプレースタイルに変身をとげて、「とても名誉なことです」と、笑顔もほころぶ。
将来的には米ツアーへの挑戦が目標だ。178センチの長身に加えて柔軟性の高い肉体は、スタミナも十分に今後は国内外での活躍がいっそう期待されるが、本人はいたってのんびりと「今はまだまだ、日本で頑張ります。アメリカは、大好きな日本でしっかりと実績を作ってから。これからも宜しくお願いします!」。
今季はツアー3勝目こそなかったが、この先ますます勝ち星を重ねていくことは必至だ。
※フェアウェイキープ率とドライビングディスタンスをポイント化して示すトータルドライビング賞と、6,7ラウンドにひとつのイーグルを記録してイーグル率賞で1位に輝いた黄には一般社団法人日本ゴルフツアー機構の秋元恒朝・副会長より記念のトロフィを贈りました。