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第141回全英オープンは、アーニー・エルスが優勝
優勝したのは、南アフリカのアーニー・エルスだった。
3日目を終わって、オーストラリアのアダム・スコットが2位に4打差をつけ、11アンダーの単独トップ。アーニー・エルスは5アンダーで5位タイにつけていた。
最終日、アーニー・エルスは、前半を2つのボギーで折り返すと、後半でバーディラッシュ。時間を追うごとに強くなったアイルランド海から吹き付ける強風をものともせず、1つもボギーを叩くことなく、4つのバーディを奪ってみせ、トータル7アンダーでホールアウト。
一方のアダム・スコットはボギー発進。2番でバーディを奪うも、3番、6番とボギーを叩いた。その後は何とか持ちこたえて、14番でこの日2つ目のバーディ。
ここから、メジャー未勝利のアダム・スコットに大きなプレッシャーが襲う。
15番、16番、17番と3連続ボギー。この時点で7アンダーのアーニー・エルスに並んでしまう。最終18番はパーで凌げばプレーオフという状況。
ティーショットをフェアウェイ左のポットバンカーに入れた。2打目は出すだけで3打目でグリーンオン。
37,500人の大ギャラリーがかたずを呑んで見守った3メートルのパーパットは、無情にもカップを外れ、アダム・スコットはグリーン上になだれ落ちた。
この瞬間、アーニー・エルスが2002年以来、全英オープン2度目となる優勝が決まった。
記者会見で、アーニー・エルスは優勝した喜びよりも、まずアダム・スコットのことを気遣った。
<アーニー・エルスのコメント(抜粋)>
驚いています。今でもまだ信じられません。
さっき、アダムと話をしました。「このような結果になってとても心苦しいよ。今回の君のような経験を僕も何度もしてきたから、君の気持ちはよくわかるよ。でも、今回のことはすぐに忘れなきゃダメだよ。アダムだったらすぐに立ち直れるはずだよ。」と伝えました。
アダムはまだ若いですから、この先10年くらいの間に多くのメジャーに優勝するはずです。僕は今回でメジャー4勝目だけど、彼だったらもっと勝てることでしょう。