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つるやオープンゴルフトーナメント 2003
「毎年必ず1段階上がること。それが今いちばんの目標です」つるやオープン ホ ストプレーヤー・平塚哲二
今年シード3年目。「毎年、必ず一段ずつレベルを上げていくこと」それが今の平塚 にとって、いちばんの目標だが、「では、そのために具体的に何をしていけばいいの か?」例年どおりのメニューで、またこのオフをやり過ごすことに、疑問を感じはじ めてもいた。
そんな平塚に、ある日、親友の小山内護が言った。 「哲二もジャンボさんの合宿に参加してみなよ。必ずヒントが見つかるから」 ジャンボ軍団の一員である小山内とは2年ほど前、遠征先のゲームセンターで偶然、 出会って意気投合して以来の付き合いだった。 「大将には俺から言ってあげるから」との小山内の言葉を頼りにジャンボのもとへ出 向いたのは、昨年11月のことだ。
「合宿に参加させてください」声を揃えた2人に、ジャンボはたったひとことだけ、 「何で来たいんだ?」 厳しい視線に気圧されて、そのとき何も返せなかったことを、あとになって悔いたも のだ。 それだけに1ヵ月後の12月末、「来たかったら来ればいい」との返事が届いたときは 嬉しかった。その日からさっそく合宿参加に備えた調整に励み、それこそ元日も返上 で球を打ち、当日を迎えたのだった。
ジャンボ邸での3週間。ミニクラブやバットを使っての素振り、ハゴミントンなど多 岐に渡るトレーニングメニュー。その厳しさは半端ではなかった。噂にはきいていた ものの、実際は、平塚の想像をはるかに超えていた。 自分では「かなり鍛えてきたほうだ」と思っていた。しかし、ここでは体力不足を反 省させられるばかりだった。
参加許可を出したときこそそっけない素振りだったジャンボも、実際に合宿に入れ ば、機会あるごとに平塚のもとにやって来てはさまざまなアドバイスをくれた。 黙々と汗を流すジャンボの姿を、ただ見ているだけでも、得るものは多かった。
最終日を迎えるころには、ヘッドスピードが2キロアップしていた。 今後、自分がすべきことも、見えてきた。 短期間での参加ではあったが、「掴んだものは多かった」。ぎっしりと実のつまっ た、ジャンボ邸での3週間だった。
そして迎えた2003年ジャパンゴルフツアー開幕戦、『東建ホームメイトカップ』では 5位タイ。オフの成果は、しっかりと出ている。 今年から、つるやとクラブ・用具契約も結び、新たなスタートを切った平塚。 「常に上に上がることを目標にしながら、その中で、“優勝”の二文字がついてくれ ば・・・」 今週は、“ホスト試合”での初優勝という、ドラマティックな筋書きも、ひそかに脳 裏に描いている。