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関西オープンゴルフ選手権競技 2012

勇太の“先生”が発奮、篠崎紀夫が教え子とV争い

再開ホールに向かう車に乗り込む篠崎。午前中は愛用の日傘も、小雨まじりに雨傘に持ち替えて仕切り直しの2ホールだった。
日傘を雨傘に持ち替えて、悠然とコースに戻った。3日目は雷雲接近のため、約3時間の競技中断のあとは真昼の熱も冷めて、ひんやりとした空気の中での競技再開に「風が涼しくなって、少し暗かったけど、暑さもなくやれた」と、残していた上がりの2ホールは18番で奥から2.5メートルのバーディチャンスを沈めて、上がってきた。

いよいよ最終組でぶつかるのは武藤と、教え子。
池田勇太は篠崎が、“レッスンプロ”をつとめる千葉県の「北谷津ゴルフガーデン」に、小2のころから高校になるまで、毎日通ってきた練習場でもある。

おじいちゃんに連れられてやってきて、「篠プロ」とすぐになついた池田はしかし、「昔から言うこと聞かない子で」。こちらが親切に教えることも、「自分が出来ない、と思ったらはっきりと出来ない、という。勇太は昔から、そういう判断が出来る子だった」。
自分というものをしっかりと持っているからスイングも、あの頃からちっとも変わっていない。

子供のころから知る選手とこうして最終日、最終組で戦うことには感慨深さもあるが、「俺は弟子とも思ってないし、あいつも師匠とも思ってないでしょう」と、カラカラと笑う。

今年はすでに、5月のとおとうみ浜松オープンの3日目に同組対決をして、そのときは篠崎が池田に2打差をつけたが「別に、明日もヤツのことは気にしない。勝つか負けるかも、運任せ。俺は俺のゴルフをするだけです」。
昨年に喪失したシード権の復活にかける42歳が、5年ぶりのツアー2勝目をにらむ。

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