記事
<大会2日目>最後のバーディで望みをつないだチーム・ジャパン
イングランド・チームが時より強く吹く風とグリーンのアンジュレーションにより5番、7番、8番と次々にスコアを落としていく中、日本チームは6番ホール(パー5)で平塚がしっかりとフェアウエイ右サイドをキープ。そこから池田が強い風の中2オンに成功。平塚のイーグルパットは惜しくもカップの手前ギリギリで止まり2つ目のバーディ。昨日二人ともに大きく左へティーショットを曲げたイメージの悪い7番ホールだが、ここは池田がフェアウエイセンターにボールを運ぶ。キレのある平塚のショットはダイレクトにピンを刺し、ピンハイ約1.5メートルにつける。中国人のギャラリーから歓声が上がる。が、しかし今日のピンの位置からは、かなり下ったスライスライン。しかもカップのふちにはスパイクの引っかき傷跡らしきものがありカップの手前で盛り上がっている。「うわーいやだな。下りだから強く打てないし。」池田の触っただけのボールはカップに向かってラインに乗っている。「よし、いるぞ、超えろ。」しかし、ボールは案の定盛り上がった傷に行方を阻まれボールの方向が変わる。昨日バーディを奪った続く8番ホール(パー3)。平塚のティーショットはピン奥2メートルにつけまたまたバーディチャンス。なかなかチャンスをものにできていない池田のバーディパットにプレッシャーがかかるが、ここでも決める事が出来ない。池田は天を仰ぐ。続く9番は池田のティーショット。やはり引きずってしまう。 「二人分の責任が」 ティーショットは左のラフへ。木が邪魔で平塚はレイアップ。そこから池田がピン2メートルにつける。今度は平塚にプレッシャーがかかる。選手、キャディで慎重に読んだラインだがこの日初めてのボギーとなってしまった。
後半に折り返してもやはりフォアサムはなかなかスコアを伸ばせない。12番ホール(パー5)では確実にバーディを奪ったものの14番では2つ目のボギーを叩く。重い風と重なって重い空気が流れる。ついに最終18番ティ。この日1アンダーしかスコアを伸ばせていない。この時点でトータル7アンダーは20位前後。あと一つ取れれば再びトップ10前後に浮上する。相当なプレッシャーがかかる中、平塚のティショットはフェアウエイを捉えた。「よし。今度は俺だ。」池田が放ったセカンドショットは、真っすぐピン方向に。「よっしゃー。」ピン手前1メートルにピタッ!18番グリーン周りに集まったギャラリーを唸らせる。「1メートルのバーディパットが2メートルにも3メートルにも見えた。」という平塚のバーディパット。二人分のプレッシャーがのしかかったボールはカップに吸い込まれた。「これを入れておくのと、外すのでは相当違う」と二人が口をそろえて言うように、一気に20位からランクを上げて通算8アンダーは初日と同じ10位で明日以降に望みをつないだ。
ホールアウト後池田は「午前中二人の息が合いながらなかなかバーディを沈められない場面があり、後半もお互いカバーしあいながらもチャンスになかなか結びつかない展開が続きました。このフォアサムは一人の責任でなくて二人の責任でもあるんだけど、一人で二人分の責任も負わなきゃいけないし、一打の重さがある。僕自身も今日はいい経験が出来たし、同じ試合形式の最終日に向けて良い経験ができたと思います。明日は最後のバーディでまだまだ上を狙える順位に止まれたし、明日は一つでも多くのバーディを取って上に上にという事を目指しながら、二人でいいガッツポーズを出し合いながら頑張りたいと思います。」と語ると平塚も「明日は、行くしかないんで、バーディが数多く取れるようなショットを打ってできれば最終日に優勝争いができる位置にもっていきたいと思います。」と明日はチャージゴルフを予感させるコメントを披露してくれた。
明日、大会3日目のムービング・デーの大切さは誰よりも選手たちがわかっている。しかも、スコアが大きく動くフォアボールでの試合形式。2日目終了して楽しみな位置につけたチーム・ジャパンの平塚、池田だけに、明日も二人のプレーからは目が離せない。
2日目の上位チームと日本の成績
1位 オーストラリア −13
アイルランド −13
3位 スコットランド −12
4位タイ スペイン −10
ニュージーランド −10
アメリカ −10
10位タイ 日 本 −8