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東建ホームメイトカップ 2015
マイペースが一番?! 復活を目指す甲斐慎太郎
4スタンス理論を中心にした講義内容はもちろんのこと、甲斐が“現場”で目をつけたのは、地元宮崎が誇るヒロイン。
合宿地であるフェニックスカントリークラブは、女子プロの大山志保さんの練習コースでもあり、甲斐たち男子プロが汗を流すかたわらで、じっと練習場に居座っていた大山さん。
冷たい大雨の中でも、黙々と球を打つ、けなげな姿。
「俺たちは、みんなで合宿に来ているから。雨が降ってるからって勝手に休んだりは出来ないけれど。普段なら、絶対に引き上げてる」。
しかし、大山さんはいっこうに上がろうとしなかった。まさに練習の虫。同じ宮崎にも、こんなすごい人がいたんだ・・・。
自然と尊敬の念がわいた。
「この人は、俺とは違う生き物。話を聞いてみたくなった」と、知人のつてを頼って交流の場を作ってもらった。
やはり、地元宮崎で行われた3月末の女子ツアー「アクサレディス」では、追っかけ観戦。
そのプレーぶりを目に焼き付けて導き出した答えは「大山さんはすごいけど、俺は無理しちゃだめだな、と」。
確かに、このオフは以前ひねった左足首の痛みがぶり返して、無理しようにも、出来なかった。「1ヶ月近く痛くて。日課のランニングも出来なかったし、体重も落としきれなかった」と、当HPのプロフィールの欄の体重90キロよりも、今は明らかに重量オーバーで、本人にはお恥ずかしい限りで「今年は、体もゴルフの仕上がりもいまいち」という中で始まった開幕戦で、思いがけない好スタートが切れて、気持ちもアガる。
大山さんと交わした約束。「フェニックスで勝って!」。大山さんの“郷土愛”は半端なく、地元のビッグイベントを制したあなたの勇姿を見てみたいと言われたが、「僕の場合は、出場にこぎ着けるまでが大変」と、ちょっぴり悩ましい気分。
シード選手にすら敷居の高い同大会の出場権を取り戻すには、2008年以来のツアー2勝目は、必須条件。
「無理しない程度に頑張ります」と、そこはあくまでマイペースを貫きながらも、地道に復活を目指していく。