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カシオワールドオープン 2015

黄重坤(ハンジュンゴン)が激戦を制して逆転優勝を決める!

 ハンは集中していた。ショットやパットを常に良い状態に保つ為に。ただそのことに意識を集中させていた。
 3番ホールから3連続バーディを獲るもトップの石川も4番ホールから3連続バーディ。9番ではボギーを叩いてしまい、一方の石川はバーディで3打差に。石川との差は縮まらずにむしろ開いていた。さぞハンは焦ったと思いきや「あまり考えていませんでした。ぼくがバーディ、バーディ、バーディって獲ればチャンスはあるかなって」石川とのスコア差は特に意識もせずに自分のプレーに集中していたのだ。
 その言葉通りにこの日のハンはショットが冴え渡り、要所でパットを沈めていく。安定してその力を発揮していた。 
 
 14番でのバーディで遂に石川を抜きトップに立つも17番で再び石川に追いつかれ最終18番に。
最後まで、ただ自分のプレーに集中していたハンは「すごく緊張しましたが、バーディならプレーオフ。イーグルなら大丈夫って」。その言葉通りにこの日このホールただ一人のイーグルパットを決め、ツアー通算3勝目、本大会2勝目を挙げた。

 「前半はあまりドライバーがよくなかったけど、金庚泰(キムキョンテ)さんが真っ直ぐ打つことよりも自分のスタイルで打てっていわれて、そこから少しづつ良い感じになってきました」と母国の先輩であり、今年の賞金王からアドバイスをもらったことも明かした。

 
 優勝が決まった瞬間に母国の先輩たちが駆けつけた。ペットボトルの水を皆から浴びせられ、もみくちゃにされるなど手荒い祝福を受けるハン。それは可愛がられている何よりの証拠だろう。
 暖かい気候の地とはいえもうすぐ12月、きっと冷たい水だっただろう。でも歓喜の輪の中で浴びるこの水の冷たさは忘れられないものになった。

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