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カシオワールドオープン 2003
2位と4打差の単独首位に今井克宗は・・・
2位と4打差の単独首位に今井克宗は・・・
前日初日の運は、使い果たしてはいなかった。インスタートの11番で、1メートルのバーディを奪うと、あとはもう「波に乗りっぱなし。何をやってもうまくいく状態。昨日からまだ目が覚めず、夢が続いているみたいだった」。
ゾーンに入ったような状態で、順調にバーディを積み上げ迎えた後半の4番パー3では、7アイアンで打ったティショットが、ピン手前2メートルから転がってなんと直接カップインだ。
自身試合で通算4回の快挙達成に、その瞬間、開聞岳に大歓声が轟きわたった。
周囲の喧騒をよそに、本人は、いたって冷静なものだった。実は今年7月のウッドワンオープン3日目にも、パー3でのイーグルを記録していた。「だから、ホールインワン慣れしてるっていうのかな(笑)。『あ、入っちゃった』てなもんで、全然、落ち着いていたよ」。
むしろ、慌てていたのは今週キャディの小林美奈さんのほうだった。
次の5番は、今井の苦手なホールだ。イーグルの直後は、逆に力が入ってスコアを崩す選手も多い。それを懸念した小林さんは、「落ち着いて打ってください」と、舞い上がりつつアドバイスを送ったが、そんな心配をよそに今井は5番の第1打で力みのない「今日一のショットが打てた」という。
先週のフェニックスでは、「2度打ちでペナルティを食らうわ、人の足跡にボールが入るわ」アンラッキーの連続だった。それが一転、ラッキーの連続。6番でボギーを打って「一瞬、いつもの“今井克宗” に戻りかけた」そうだが、次の7番で3メートルのバーディをしっかり沈めて、2日目にして通算14アンダーは、2位と4打差。
初優勝にむけ大きく前進したが、「まだまだ、“ハンディ”はもらい足りないよ」と今井。
残り2日。「他の選手はシカトとして、自分のゴルフをやります」。マイペースを決め込んだ。
写真=7月のウッドワンオープン広島3日目、ホールインワンの使用クラブも、前日初日、14番パー4のチップインイーグルで使用したクラブも7アイアン。「僕は奇数クラブが嫌いで、7アイアンも、ほとんど練習しないクラブ。・・・なのになんでかなあ」と首をかしげた今井。「・・・きっとキャディのおかげだね!」。今週、バッグをかつぐ小林美奈さん(=写真右)は、前週までの3試合、加瀬秀樹のキャディを務めて連続トップ10入りに導いている。「まさか! 私の力じゃないですよ。加瀬さんも今井さんも、実力のある選手ですから!」謙遜しきりの小林さんだった。