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HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF 2015

李京勲(イキョンフン)が初代熱意系チャンピオンに

記念すべき第1回の熱意系トーナメントを制したのは韓国出身の24歳だった。キョンフンが、3年ぶりのツアー2勝目を飾った。前半こそ拮抗した争いも、後半からやにわに騒がしくなり、終盤は一時5人が首位に並ぶ大接戦も、なかなかスコアボードが見当たらずに、自分がいまどういう状況なのかも分からない。

12番からの3連続バーディで、自分が首位タイにつけていると分かったのは、ようやく15番が終わってから。ここが攻めどきと気合いを入れた。16番のバーディで、とうとう単独首位に踊り出て、17番のティショットは圧巻だった。

184ヤードのパー3で、一度は握った7番アイアン。ふと気が変わった。「左のピンに対して強めに打って行こう」と、とっさに持ち替えた8番アイアンが、決定打となった。
あわやホールインワンかという強烈な一撃だった。最後は、2打目を深いバンカーに打ち込んだが土壇場の2打差を駆使して逃げ切った。

2012年のセガサミーカップでツアー初優勝を挙げた際には、「賞金王も狙える逸材」と、囁かれた。「でも、日本のコースでは、まず正確なショットが求められる」と、元来伸びやかなショットも安定性を求めたことで、プレーが窮屈になっていた。

日本で久しく遠のいていた勝ち星を、ぐっと引き寄せたのは今週から、新しく投入したテーラーメイドのドライバー。「M1を使って20ヤードも飛距離が伸びた」と、ニクラウス設計の石岡も、伸び伸びと攻めた。この1本に惚れ込んで、ドライバーの使用契約を結んだが、ほかのクラブは「そのときの調子に合わせて、選びたい」と、すべてフリーで今週のバッグには、本間の3番アイアンも入れていた。

「今週は、8番ホールで毎日使った。凄く良いクラブです」と、営業スマイル。これを機に“TEAM HONMA”の仲間入り?! 「痩せたら、契約していただけますかね??」。がっしりした体つきも、ちょっと油断をしたらすぐにお腹に脂肪がつく。24歳には見た目も気になるお年頃。春から4キロ減を目指しているが、ダイエットに成功した試しはなく、むしろラウンド後についお菓子をつまんで「キョンフン、また太るぞ!」。仲間からからかわれて、頬を赤める毎日だ。
まさか、契約選手を体型で選ぶはずもないが、「メーカーの方から声をかけていただけることは、プロとして大変、名誉なことです」と、内心はちょっぴり期待している?!

自身2度目の優勝スピーチは、つたない日本語を駆使して懸命に言葉を紡いだ。何度も言葉に詰まって、「ユウショウは・・・。キモチイイです」。たどたどしい語り口に、女性ファンから「可愛い・・・」とのため息。でも、柔らかな物腰は一見、癒やし系だが、胸に秘めた思いは熱意系。

今週は、アメリカと欧州連合の対抗戦「プレジデンツカップ」と日程が重なり、自身もV争いを繰り広げながらも、キョンフンには毎日、そちらの結果が気になって仕方なかった。「一度は出てもたい」と、憧れてやまない伝統の一戦は今年、初めて母国・韓国で開催されたこともあり、なおさら思いは募って「2年後の代表入りを目指したい」。

今年も、その晴れ舞台を踏んだ先輩の裵相文(ベサンムン)や、日本ツアーで目下賞金1位を走る金庚泰 (キムキョンテ)のように、自分もいつか世界を股にかける選手になるのが目標だ。今年は、9月の韓国オープンで優勝を飾り、韓国ツアーはいよいよ最終戦を前に賞金ランクで1位につけており、このまま逃げ切り王座となりますか。
日本ツアーも、この1勝で賞金ランクは4位に浮上。「出来るだけ早く、3勝目がしたいです」。遠のいていた3年分をここから一気に取り返す。

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