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フジサンケイクラシック 2004
ポール・シーハンを刺激するよき親友、よきライバルは…
目のきつい芝質が、故郷オーストラリアのコースと似ている上に、今季からバッグを かつぐ相棒のジャレット・ラブさんが元グリーンキーパーだったことで、グリーン上 の不安は皆無。
2人して打ち出すラインを決めたら「あとはボールをカップのふちにぶつけるつもり で、強気で打つだけ。コウライは、とにかくアグレッシブに攻めるのが大切だよ !」。
ショットのほうも、4日間とも安定していた。シーハンは打つ前に、まず左足を後ろ に引いた構えを作ってからアドレスに入るが、昨年9月にコーチから教わったこの ルーティンは、それまで左足に寄りすぎていたウェイトを、左右均等にバランスよく かけるためだった。
これによってスクエアに構えることができ、「安定したショットが打てる」と、どん なシーンでも必ずこの“儀式”を欠かさない。
優勝争いのさなかにも、落ち着き払ってつま先を地面にちょん(=写真中央)。
ちょっとユニークなこのポーズがトレードマークになりそうなシーハンは、ジュニア 時代から、ともに戦ってきた豪州のブレンダン・ジョーンズの活躍に刺激され、2年 前に日本ツアーにやってきた。2002年のチャレンジツアー賞金ランク3位の資格で、 翌年ツアー前半戦の出場権を手に入れると、2003年には賞金ランク20位で初シード入 り。そして今年、この伝統の川奈で、本格参戦2年目にして初優勝を手に入れたの だ。
シーハンより、一足お先の2002年に日本ツアー初Vをあげたジョーンズは、先月のつ るやオープンでツアー通算3勝目をあげた。さらに今年1月には国際予選から全英オー プンの出場権を獲得。また米ツアーの二部組織ネーションワイドツアーにも挑戦し、 本ツアーのUSPGAツアーへの本格参戦を目指すなど、年々進化を続けている。この大 親友がシーハンにとって、よいお手本であり、よきライバルなのだという。
「僕だって、夢はアメリカ、マスターズ!!」と、目を輝かせた陽気なオージー。一 歩先ゆく友人の背を追いかけて、いずれは世界舞台へと飛び出すつもりだ。