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サンクフル主催者ゴルフ懇親会を開催

選手会長が、スタート前の集合写真でも賽を振った甲斐あって・・・
こんな贅沢なゴルフコンペはちょっと、お目にかかれない。いや、“コンペ”と呼んでしまうのも、もったいない。日頃の胸一杯の感謝を込めて、各トーナメントの主催者のみなさんをプロたちがもてなす。「サンクフル主催者ゴルフ懇親会」はいよいよ27日の大会当日。会場のカメリアヒルズカントリークラブに選手会長の熱意と努力が結集した。

参加プロの宮本勝昌が言った。「たった17組でコースを貸し切っていただけたことが凄いよね!」。歴代の選手会長のそんな何気ない一言が、池田には嬉しい。各社のVIPのみなさんに、ご満足いただけるにはどうすればいいか。池田勇太はありったけの智恵を振り絞ってどうにかこの日にこぎつけた。

今年は新たにあまり馴染みのないポイントターニー制を、競技方法に取り入れたのもそのひとつだ。バーディ1個につき3点、イーグルは5点、パーでも1点。「普段のストロークプレーとは、また違ったゲームでゴルフの醍醐味を味わっていただきたい」と、考えたから。
また練習場にはマットを敷かず、ゲストにも芝生の上から打てるようにしたのもそう。とことんトーナメントの雰囲気を満喫して欲しかった。
当日のピン位置も、ティマークの位置も池田が何度も一人でコースに足を運んで決めてきた。「プロには少しでもアグレッシブに攻めてもらえるように。主催者のみなさんには美しいコースと、プロの豪快なプレーを堪能していただけるように」とのこだわりを詰め込んだ。

特にコースセッティングは、グリーンキーパーの廣部裕一郎さんに、無理をお願いした。ついひと月まえに、女子ツアーの「アース・モンダミンカップ」が行われたばかり。本来ならすぐにも、芝生の更新作業を始めたいところだ。特にグリーンは刈り高を上げて芝を休ませ、地面に穴を開けて、風通しをよくしてやりたいところ。しかし当然、復旧作業を始めれば、ボールの転がりは悪くなるし、スピードも遅くなる。
「出来るだけトーナメントのような速いグリーンを、主催者のみなさんにも味わってもらいたいんです」と池田に強く乞われて、廣部キーパーは予定をひと月、先延ばしにしてくださった。「みなさんに喜んでいただけるなら」と、快諾してくださったのだ。

「池田プロの熱い思いに精一杯、応えていこうとスタッフ全員で話をしています」とは、原田弘通・支配人だ。選手会長の熱意は江戸の名工にも選ばれた、超一流シェフの心をも動かした。この日、プレー後の表彰式で振る舞われたのは、なんと最高級フレンチのフルコースだ。「ゴルフのあとは最高のお食事を」とここでもこだわりを見せた池田が東京・目白の椿山荘(ちんざんそう)「カメリア」の村田眞吾・総料理長に直々にオーダー。

表彰パーティは、たった1時間あまりというのに「椿山荘の味を、ぜひゲストのみなさんに堪能していただきたい」と、これまた池田の無理な願いに応えて村田さんは、前菜とスープを同じ皿に乗せて出すなど最善の工夫を惜しまなかった。

「今日は勇太プロを“男”にして差し上げたい」と、大会の大成功を期して、村田さんが献立したこの日の渾身のメニューは、地産地消の食材にもこだわった。村田さんも、池田と同じ千葉県出身。地元の漁港で引き揚げられた新鮮な海産物や、野菜や果物をふんだんに使った繊細なお料理は芸術的でさえあって、わざわざ椿山荘から運び込まれたという美しい食器やカトラリーに映えて、食べてしまうのももったいないほど。最高級グルメを挟めば、ゲストとプロの会話もいっそう弾む。

「今年もまたたくさんの方々に支えられて、どうにかこの懇親会を終えることが出来ました」と池田の感謝の念もいっそう深くなる。
デビュー前から池田が青木功にことあるごとに言われてきたのは「プロゴルファーは、主催者とコース、そしてお客さん、この3つが揃って初めて胸を張って生きていける」ということ。
「だから、常に感謝と恩返しを忘れてはいけないと、青木さんに教わった」。
このサンクフル主催者ゴルフ懇親会は今年、2回目を終えたばかりだが、大事なのはこの気持ちを持ち続けていくことであり、「この懇親会も5回、10回と重ねていけるように。選手みな一丸となって頑張って参ります」と、さらなる邁進を誓った。「主催者のみなさんには、これからも長い長い、長〜いご声援のほどを、なにとぞよろしくおねがいいたします!」。
今年2期目の選手会長が、改めて深々と頭を下げた。

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