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宋永漢 (ソンヨンハン)は島田トロフィー獲得にも「“シンジンショウ”って、ナンですか?」

男子ゴルフでもますます勢力を伸ばしつつある韓国勢の一角を担う(中央がヨンハン、左は黄重坤)
晴れ舞台の当日だというのに、きょとんとしていた。日本ツアーは本格参戦3年目だが、お世辞にも日本語はまだ、そう上手くはない。自分が表彰対象者と急に聞かされてもにわかに理解できない。
「シマダトロ・・・? シンジンショウ?? ・・・って、ソレはナンですか?」。

“島田トロフィー”は、一般社団法人日本ゴルフツアー機構(JGTO)の初代会長で、ツアー通算9勝を誇る故・島田幸作氏が、後進の指導に特に熱心だったことから長きにわたる功績をたたえる目的で、その名を冠した“最優秀新人賞”のことでである。
ツアートーナメントは出場3年以内、またツアートーナメント通算30競技未満の中で、もっとも優秀な成績を収めた選手に贈られる。

つまり、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの受賞は、一生に一度きり。今年、栄えあるこの賞に輝いたのが、永漢 (ヨンハン)だったが実は、その授賞式の当日。12月7日に行われたジャパンゴルフツアー表彰式のオープニングの目前にも、いまだ自身がその該当者であると、分かっていなかったのだ。

「え、まさか、ホントウですか?」と、小さな顔にアイドル張りのクリクリ目玉を動かして、たちまち満面の笑みを浮かべた。
「え? でも、僕まだ3年? 30試合出てないですか?」と規定の詳細だけは頭に入っていても、ではいったい自分はいま参戦何年目なのか。通算何試合目かも、これまたよく分かっていなかったようで、現状を把握するにも少し時間がかかったが、「・・・スゴイじゃないですか、僕!!」。

自画自賛をしたとおり。今年は、23試合に出場して22試合で予選を通過。初優勝こそ逃したが、2度の2位を含む4度のトップ10入りを果たして、賞金ランクは15位に食い込む大躍進。
いま自分に置かれている状況を、授賞式の土壇場にやっとのみ込んだのんきな24歳は、石川遼や松山英樹と同学年。

父親の影響で、12歳からゴルフを始めて「アジア太平洋ジュニア」や「世界大学選手権」などアマチュア時代から、国際舞台の経験豊富。
20歳でプロ転向を果たすと日本ツアー進出は、その2年後の2013年。
ワンアジアツアーとの共同主管で行われた同年の「インドネシアPGA選手権」ではワンアジア枠からの出場で、2位に入った。これを足がかりにその年、初シード入りを果たすと毎年、着実に力をつけてきた一人である。
3年目の今年は初優勝を目標に戦ってきた。幾度かそのチャンスを迎えながらも「勝てなかったことは、本当に悔しいです」。

本人には思いがけない晴れ舞台。“サプライズ”の登壇で、一般社団法人日本ゴルフツアー機構から記念のトロフィーと、スズキ株式会社を代表して株式会社スズキ自販宮城の大津信浩・代表取締役社長より賞金100万円と、副賞は永漢 (ヨンハン)にとっても大切な、大切なスポンサー! 偶然にもウェア契約を結ぶ株式会社デサントの、高畑泰宏・執行役員ゴルフブランド統括部長より「水沢ダウンジャケット」を贈られて、気も引き締まる。
改めて心に誓った。
「来年は優勝します、頑張ります! 来年も応援ヨロシクおねがいします!!」。
  • 記念のトロフィーは、永久シード選手のジョーこと、尾崎直道から! 絵になる2人
  • 仙台から駆けつけてくださった大津社長から思いがけない大金を受け取って「こんなに頂いちゃっていいんですか?!」
  • 着ていることも忘れるくらいに軽い着心地。きっと似合う! デサントのダウンジャケットで母国韓国の寒いオフも乗り切ってまた来年!!

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