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第2回サンクフル主催者ゴルフ懇親会は前夜祭を開催
「主催者のみなさんとぜひ懇親の場を持って直接、日頃のお礼言ったり、意見を伺ったりする機会を持ちたい」。そんな前選手会長の意志を引き継ぎ最年少でその重責についた。池田の肝入りで、昨年から始まった。第二の故郷・仙台で開催した初年度から2年目の今年は、スポンサーのみなさんの便を最大限に憂慮して、首都圏に会場を移すことになった。
27日の日曜日はついひと月前に、女子ツアーが行われたばかりのカメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)で、プロがスポンサーのみなさんと和気藹々のラウンドでもてなす日。
その前日の26日土曜日には、高輪のザ・プリンスさくらタワー東京で盛大な前夜祭を開いて恩人らをもてなした。
この日にこぎつけるまでに、いったい幾度の打ち合わせを繰り返したことだろう。「どうすれば、スポンサーのみなさんに喜んでいただけるか」。
その心配りはもはや、選手会長の域を出てイベントプロデューサーと称してもよく、昨年の反省や改善点を踏まえて、たとえばどこでお客様をお出迎えするか。「扉の外でお待ちしたら、そこでみなさん立ち止まってしまって、なかなか会場に入っていただけないだろう」。今年はあえて、部屋の中でお待ちするなど、心憎い配慮は細部にまで及ぶ。
18時の開場予定も、早々と昼過ぎから会場入りした選手会長は、すでにテーブルにセッティングされたピカピカのワイングラスをうっかりと、スタッフが触れようものなら「せっかく磨いてあるのに! 気をつけてよ」と、池田の鋭い叱責が飛ぶ。機材の配置やらなにやら、数ミリのズレも許さず、自ら汗水流して場所を移動させたり、ビシッとスーツに着替えてパーティが始まるまでは、ホテルのドレスコードにもひっかかるTシャツに短パン姿も「スミマセン、この格好じゃないと思うように動けないものでして」。
特別ゲストの演出は、とことんサプライズにこだわった。出場交渉も、池田自ら事務所に出向いた。かねてより、親交の深かったものまねタレントの栗田貫一さん。約30分のステージショーも、入念なリハーサルの前に大変な気の使いよう。「クリカンさんとゲストが顔を合わせることが絶対にないように。始まるまでクリカンさんを一歩も部屋から出さないで」との池田のお達しを忠実に守って、栗田さんの控え室の前には常時、誰かしら見張り役が張り付く徹底ぶりだ。
栗田さんの美声を再現するための仕込みも、まるでコンサートさながらの重装備。会場内に本格的な音響システムをビシッと揃え、池田自らが手配した専門のオペレーターに加えて、栗田さん専属のスタッフまで待機をしてもらって準備は万端。
“クリカンさん”の“前座”にはジョー尾崎に小山内護と小田孔明。これまた、池田の直接交渉で業界最大手の第一興商さんから無償で提供していただいたカラオケ機器を前にのど自慢のプロゴルファーたちが次々とマイクをリレーしたあとで、いよいよ真打ち登場だ。
池田勇太ならぬ「小勇太(こゆうた)」は、本人から3タックの“勝負服”を譲り受けた“クリカンさん”が、例のあの歩き方までそっくりに、高らかに歌いながら登場すると、前夜祭は最高潮に…!
練習マットの上で披露してくださったプロゴルファーたちの物まねはあまりにも似すぎていて、みな涙を流さんばかりに笑い転げたまま。勇太プロデュースの“ディナーショー”は大盛況で幕を閉じた。
あっという間に楽しいひとときは過ぎていったがその直前に、選手会長にとっては少々、シビアな時間もあった。今年は前夜祭の直前に、主催者のみなさんとの意見交換会の場を設けて、直接スポンサーのみなさんの声を聞く機会を持った。
参加してくださった各主催者のみなさん全員から大会にかける熱い思いやトーナメントに対して抱く夢。中には少々耳の痛いお話も予定の1時間をとっくに超えて、押しに押したがそれもいとわずさまざまな意見を真摯に、心して聞くうちに、選手会長の身もいっそう引き締まる。
来年の“3回大会”には、男子ツアーは変わったよねという声を、ひとつでも多く吸い上げるためにも「今日の機会を大事に、今後のトーナメントに生かしていきたい」とは、意見交換会に揃って参加した選手会副会長の宮里優作。
今回の出演を承諾してくださったばかりか、選手のかわりに頭を下げてくださった栗田さん。「主催者のみなさんにお願いです。これからも彼らに、良い試合をさせてやってください!!」。
暖かなエールには改めて「ありがとうございます!!」。思わず選手会長の頭も下がる。
「今日は、栗田さんにこれぞプロフェッショナルというのを見せていただいた。僕らはゴルフでプロの技を見せなければ」とはやはり副会長で、このサンクフル主催者ゴルフ懇親会の担当理事の深堀圭一郎だ。これからツアーは後半戦にむけて。選手たちの思いはひとつだ。