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セカンドQT補欠繰上りから、ファイナルQTへ 古田幸希
かつて「ぽっちゃり王子」として中学生のころから注目を浴びていた古田幸希も、いまは東北福祉大4年生でゴルフ部のキャプテンを務める。今年7月の日本アマでは3位に入ったが、大学のある地元・宮城の利府GCでの開催とあり、優勝を目指していただけに悔しさを隠さなかった。
そして、迎えた9月のセカンドQT(9/9〜12 五浦庭園CC)だったが、最終ホールでボールに泥がつく不運もあって、2打目を池に入れてしまう大ピンチ。その時点でスコアは2オーバー、カットラインは3オーバーだったので、通過ラインギリギリのところだった。1罰打を払っての第4打は林の中から80ヤードのショット。フックをかけてピン3メートルにつけ、このパットを沈めて起死回生のパーを拾った。それでも補欠の2番目。連絡を待つしかなかった。
連絡が来たのは、サードQT(10/28〜31 サニーフィールドGC)の3日前だった。急遽、後輩の鈴木君にキャディを頼み、会場へ。「調子はそんなに悪いわけでも良いわけでもなかったが」初日から66をマークし、「これならまとまってくれる」というのをつかんだ後は64,67,65とロースコアを連発し、終わってみれば通算22アンダーと2位に7打差をつけての1位通過だった。
まさに一度はあきらめかけたが、数少ないチャンスを見事につかみ、ファイナルQTまで駒を進めてきた。「2週間前に練習ラウンドにここに来たときが絶好調で、そのあとちょっと調子が落ちたので、連日600球を打ち込んで」調子を取り戻してきた。
先週のカシオワールドオープンでは、学校こそ違え同級生の今平周吾が優勝争いをする活躍を見せた。「周吾はジュニアのころ、一緒に試合に出ていたときは体が小さかった。アメリカに行って帰ってきたら、体が大きくなっていた。練習したんだなと思った。カシオワールドオープンを見てすごいな」と感じた。
古田も負けてはいられない。来年はツアーに出て、同じ舞台で戦いたい。それにはまず、今週のファイナルQTだ。ここまできたら、もはや失うものはない。やるだけだ。