勝紀杯スナッグゴルフ大会(当機構など後援)が、兵庫県の武庫ノ台ゴルフコースで開催され、106名の小学生を含む161名が参加して冬の晴天のもとでスナッグゴルフを楽しんだ。
この大会は、JGTO貢献メンバーで、シニアトーナメントでも活躍する髙橋勝成が、次男の勝紀くんの名を冠した大会として2005年1月にスタート。
第1回大会は勝紀くんの誕生日である1月9日に行なわれ、以来、毎年夏と冬の2回開催されており、昨年の夏が第20回の記念大会のはずだったが、スタート直後の突然の雨により順延となって、11年目となる今回が20回の記念大会となり、そのサブタイトルには「再挑戦の巻」とユーモアを交えて名づけられた。
大会のコンセプトは、「スポーツを通じて精神的にも体力的にも健康になってほしい。」という髙橋の想いが込められたており、スナッグゴルフでスコアを競い合うだけではなく、歌や音楽で体を動かすエクササイズや、羽子板にコマ回し、けん玉に凧揚げなど、お正月の「遊び」もふんだんに取り入れて子どもたちを楽しませている。
冬の大会では恒例となっている餅つきでは、子どもたちが杵を握って体験をするのだが、見守る髙橋は気が気でない。
「手に気をつけてね!」
交代で餅つきをする子どもたちが怪我でもしまいかと、杵を持つ子どもにも、まわりのスタッフにも、繰り返し気にかけて声をかけ、ホストプロの髙橋は子どもたちの「安全」に気を配った。
そんな子どもたちへの愛があふれた大会とあって、今大会も60名以上のボランティアが運営を支え、地元の兵庫のほかに、香川、三重、そして宮城からも参加者が集まる人気イベントとして定着していて、更に1999年のフジサンケイクラシック優勝の桧垣繁正や、武庫の台GCを拠点とし昨年のプロテストで一発合格したばかりの竹内美雪も応援にかけつけ子どもたちと一緒にラウンドを楽しんだ。
そんな歴史を重ねてきた大会で、20回の記念大会として昨夏に披露されたテーマソングは、更にバージョンアップを控えており、この日は映像の収録クルーも来場して、プロモーション映像の準備も進んでいるという。
「なんかそんなふうになっちゃって」と照れくさそうな髙橋だが、トントン拍子でまわりの応援を受けて進められているプロジェクトに、あの日の勝紀くんとの思い出がよみがえる。
「勝紀とお散歩をするときに、一緒に歌った歌がとなりのトトロの『さんぽ』だったんです。歩こう〜歩こう〜のメロディを参考に、あとは僕の言葉をいくつか並べました」というテーマソングは「生きているということ」。
大会のテーマと重なる思いがこの曲にも込められていて、オープニングで披露されたサビの部分は参加者たちも口ずさみ、覚えやすい耳に残る歌に仕上がったようで、プロモーション映像の完成も待ち遠しい。
また、この大会が髙橋のライフワークであることは言うまでもないが、新たなライフワークも始まっている。
神戸市にある公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金が運営するチャイルド・ケモ・ハウスへの支援活動だ。
通常、小児がんの科学治療は病院で受けるため、親が夜間子どもに寄り添うことには制約があるが、このハウスには病院の機能と住宅の機能が一体化されているため、家族がまるまる病院に住みこむ形態がとれ、親も兄弟も一緒に治療する子どもと暮らすことができる日本で唯一の施設となっている。
病と闘っていた勝紀くんにもっともっと寄り添いたかった髙橋にとっては、この施設の価値が誰よりも大きく、チャリティコンペによる収益金など、まずはできることから支援を始めている。
そんなライフワークやシニアトーナメントで忙しい日々を送る髙橋が、今年は後進の育成にも名乗りを上げて応援する。
2月に宮崎で開催される「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート〜オリンピックを目指して〜」で特別講師を務め、若手プロゴルファーに技術や精神向上の指導を行う。
日本ゴルフツアー選手権森ビルカップShishidoHillsで初優勝を果たした竹谷佳孝は、昨年のゴルフ強化セミナーへの参加での効果を話しており、次なるスターの誕生に髙橋がひと役買うことになる。
※競技成績は大会ホームページよりご覧いただけます