北の大地で定位置に収まった。今平周吾が、単独首位に躍り出た。
ここ2年あまりは北海道の大会で、トップ5を外していない。
今年のセガサミーカップも、3位だった。
さすがにこの好調ぶりには普段、あまり口数の多くない本人も、珍しく詳しく自分を分析した。

「僕は打ち込むタイプ。洋芝は、抜けが良くて距離感を合わせやすい。突っかからないから、アイアンのラインが出しやすい」。
コースと自分の持ち味を全面に押し出して、コース攻略も完璧だ。

輪厚で一番に掲げるのが「ボギーを打たないこと」と、ごくシンプルな目標を、淡々と遂行している。
ボギーなしで回った前日初日に続いてこの日は、右の林に曲げた15番で痛恨の1ボギーは悔しいが、17番でカラーから6メートルをキメて、すぐに取り返して戻ってきた。

「ここではいくつかの難しいホールでしのぎ、チャンスホールで獲れれば楽になる」。言ったとおりにこの日もまた、4つのパー5をひとつも逃さず今朝は、スタートの練習場でJアラートのサイレンを聞いて「落ちてきたらやばい。驚いた」と、ロッカーに避難する一幕もあったがいざコースに出ればいつものように、淡々とスコアを重ねた。

14年のチャレンジ賞金王となり、翌年に初シード入り。本格参戦から3年目。
例年なら、今の時期は体力の消耗が激しかった。貧血のような症状に陥り「フラフラしたり、手が冷たくなったり」。
血液検査で異常こそなかったが、自然と食事に気を遣うようになったのも、昨年の今頃から。
大好きな肉もまず野菜から食べたり、量も増やした。
「コンビニでも野菜ジュースを買ったり、健康にも注意するようになった」と草食男子になりきり今秋は今のところ、すこぶる快適だ。

2位と2打差をつけて、初優勝の関西オープンに続く今季2勝目のチャンス。
「明日もしっかり頑張って、最終日に良い位置で戦えたらと思います」。
今度こそ、北海道男の名を欲しいままにする。

• 今平 周吾