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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2016
倉本会長は「社交辞令ですよ」
武藤とはたまたま火曜日の夜に、スポンサーとの会食時に同じ店に居合わせたといい、「みなさんにも武藤くんをご紹介して、そのときに勝って欲しい、と。でもそれは、選手全員に話していることで、武藤くんだけひいきしたわけじゃないんですよ」とそこは、やはり倉本会長の立場としては、ことわっておく必要がある。
しかし、「もちろん武藤くんにはこの大会で、勝つ実力があるし、ああいう選手に勝って欲しいという思う」とは偽らざる本音だ。
今年のプロ日本一決定戦は、ツアー史上初の試みとして、セントアンドリュースでも使用されているのと同型のバンカーレーキを取り寄せて、全組に専門のボランティアさんを帯同していただいて、難易度を上げる工夫を凝らしている。
さっそく初日から、倉本会長のもとにもその反響が届いており、「砂が柔らかいとか目玉になるとか。選手たちから様々な意見が出ており、嬉しい限り」と主催者としてニンマリだ。
今回のバンカーの一件は、1年も前から選手たちにも告知をしており、「最後に砂を入れたのも、1年前。だから、普段からこういう状況と考えれば致し方ない」と、準備万端でこの日を迎えた。
「入れたらペナルティだ、と言い続けている。入れないのが一番で、選手たちにはバンカーを嫌がって打って欲しかった」と会長の意図に忠実に、本当にこの日初日は一度もバンカーに入れなかった武藤が、単独首位で飛び出した。
「あまりにも不公平な結果になるなら、すぐにでもこの取り組みは止めるつもりでしたが、初日の時点でそこまでの問題は出ていない。明日も続ける」と、倉本会長。
「ボランティアさんによってならし方が違うのでは、という声もあるがラッキー、アンラッキーがあるのがゴルフ。何事も初めての取り組みにはどこかに弊害は出るもの。やり始めたのだから、やり続けたい。そして出来ればこのレーキをツアー全体に広めていきたい」と、さっそく初日から手応えを感じている。